わがまま私は愛されてますか?-カゲプロ夢セト甘〜激甘までちょいちょい入-
□見つけたカゲロウ
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メカクシ団から逃げ出してから一週間。
私は兄と街へ出かけに来た。
「あ・・・お兄ちゃん!カゲロウだ・・・」
街へ来るのは初めてな私は、少しテンションが上がっていた。
あの日から兄はなるべく毎日あの一室へ帰ってきてくれるようになった。
今日は、ずっと毛布にくるまって寝ていただけの私を心配した兄がベッドを買いに行こうと言ってくれたのだ。
外に出るのはやっぱり少し怖かった。
いつもなぜか好奇の目にさらされていた私。
その事実はこの間兄の話してくれた両親のことで分かった。
私は中学生とその教師のあいだにできた子だから、みんなは私を見ていた。
なんで知っているのかなんて不思議に思ったけど、おばさまの情報網は尊敬に値する。
初めて来た街は人で溢れていて、酔いそうだ。
それでも、楽しみで仕方のない私は少しそわそわ気味に兄のとなりを歩く。
そんな時、路地脇の下水道のところに、カゲロウの幼虫がいた。
虫はあまり好きじゃないけど、見てる分には害はないし、観察するのは結構好きだ。
「カゲロウって、確か春ごろに羽化するんだよね。もうすぐかな」
私はそういって中を覗き込む。
お兄ちゃんは少し呆れたように、それでも初めて知った事実に興味深そうにうなずいている。
私は得意げに笑って見せる。
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