わがまま私は愛されてますか?-カゲプロ夢セト甘〜激甘までちょいちょい入-

□文乃への思い
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「これ・・・大事な人にもらったんす」

「それって・・・文乃か?」

「よくわかったっすね。そうっす」

中ではセトとシンタローが話している。

セトは嬉しそうにいつもつけている黄色の髪留めを外し、見つめている。

どうってことないはず。

だって、セトは私を好きだと言ってくれたし、文乃さんは私の尊敬する人だから。

むしろ、セトが文乃さんを大切に思っていることがうれしく思えるはずなのに。

どうしても入れなくて、セトの嬉しそうな顔が嫌でその場を逃げ出した。

気晴らしにと、久しぶりにあのマンションの一室へ行く。

すると、ポストはきれいに片付けられており、首を捻る。

お兄ちゃんはここで暮らしているのだろうか。

部屋に入ると、誰も居なかったが、その代わり前よりも生活感のあふれる部屋となっていた。

どうやらここで暮らしているらしい。

外から話声が聞こえ、一人は女性の物、もう一人は兄の物であることが分かる。

玄関の扉が開き、兄と目が合う。

すると、兄は目を丸くした後、嬉しそうに笑った。

「真香。来たのか。まぁどこか座ってて」

兄の言葉にうなずき、リビングの座布団に座る。

私の座布団は置きっぱなしだったし、いっかなって。

「ちょっと!そこは座ったらいけないの!どいて!」

と、兄の後に続いて入ってきた女の人に押され、倒れこむ。
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