ヴァンガード小説

□冬の待ち人
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彼が那須に家を買ったと聞いたので、見に行くことになりました。
持主が年配になり、不便を理由に持て余していた別荘を、安く買い取ったというのです。
2LDKの吹き抜け構造、2階へは小さな螺旋階段がついています。リフォーム済んでいて、とても綺麗です。
心引かれたのはウッドデッキで、ここにテーブルを置いて、庭を眺めながらお茶が楽しめそうです。友達を呼んで、バーベキューパーティーもいいでしょう。
こんなところに住めたら素敵だな、と思っていた矢先に彼に鍵を渡されて、持っているように、と言われました。
それがプロポーズだと、すぐには気がつきませんでした。
彼とは長い付き合いの僕も、その大胆な行動には驚かされました。けれど、彼らしいとも思います。二人で幾度も将来のことを話し合いました。家を持つことも彼の夢の一つでした。
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