ドSな彼女〜河合先生とくにっち〜
□笹原先生の秘密
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千穂side…
アイツと窪内先生に、笹原先生との思い出を1ヵ所だけ省いて話した。
1ヵ所……それは、ファーストキスの思い出。
告白したとこで話を終わらせたら、二人は……
「…って、えぇっ?」
「終わり?」
『そーですよっ。何で?』
「いや…そこまで来て…何も無しってのは…ボクとしてはホッとする流れですが…」
「つまんないよーぅ!男として理解できないよーぅ!!」
『失礼なっ。いーじゃないですかっ。』
アイツがすかさず聞いてくる。
「でも…また惚れちゃったりしちゃって?」
『ナイナイ!昔の話ですよー。』
翌日…
今日も1日研修会。
笹原先生と同じ場所にいるのが不思議な感じ……。
遠くで時々目が合うと、今でもやっぱりドキドキする。。
お昼休みに廊下で会って、話の流れで校内を案内することになっちゃった。
「…あれからどうしてた?」
『えっと…大学行ってー、マスコミ関係の仕事を目指して…挫折して…この前まで教師もやる気なくて…転職ばかり考えてるダメな先生でした(笑)』
「そっか。。」
『軽蔑ー…してますよね?』
「いや、むしろ安心したかな(笑)。俺なんてもっとダメな人生送ってきたからさー。」
『…先生はどうしてたんですか?』
「河合せんせ……河合さんには知られたくない…冴えない人生だよ(笑)」
『…。』
理科室、音楽室、体育館……
話しながら案内してく。
校内案内も終わりに差し掛かって…
『…で、ここが保健室です。』
「保健室か…あはは(笑)」
ちょっっ……何で笑うのっ。
顔がカァーってなるのがわかる。
「ちょっと!そこで赤くなるのはズルいだろっ!」
『んなっ!別になってないですっ//』
「本当にー?こっち見てみ?」
『…イヤですっ//…で、こっちがー』
無理やり校内案内続けようとするあたしと、それを無視して話し続ける先生。
「あっそうだ。俺ずっと気になってた事があるんだけどー…聞いて良い?」
『ダメですっ』
「あのさーあの時の…ってさー……初めてだった?」
……!!
信じらんない……
『…答えませんっ///』
思いっきりフンッてやった。
「ふーーん、そっか。」
意味ありげな先生。
「…それは…光栄です(笑)」
んなっ?!
『だから答えてませんってばっ…////』
「わかったわかった(笑)」
先生から、あの頃と同じ優しい匂いがした。
あたしの心は、高2のあの頃に…
少しずつ巻き戻されていった。
笹原先生でいっぱいだった あの頃に……