ドSな彼女 第3章

□できた溝
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千穂side…


新学期。


久々に生徒たちも登校してきて、

廊下は狭いし、ウルサイし…



職員室も

先生たち皆いて、暑苦しい。



「あ、河合先生。来月の避難訓練 担当ですよね?」


げっ。


『そっそうでしたっけ?』

「そうでしたっけ?じゃないわよ!来月の担当は、あたしと河合先生!アナタでしょ〜。」


チッ。

大原先生とかよ。


「だいたい河合先生は、夏休みボケなんじゃないのっ?ったく…」


あーうっさい。

聞こえないっ。


「いや、でも最近頑張ってるよな?河合先生!」


…岩名先生。

下手に肩持たれると メンドクサイんだけど。


「あ、ソレわかります〜♪ボクも思ってました。この前もコーヒーメーカーを進んで掃除してたし。」


窪内…

それはただ単に コーヒーが飲めないのがイヤなだけなんだけど(怒)。


「だろだろ?何か良い事あった?河合先生。」

「そーいえば夏休み明けから、腰まわりが軽やかに…」


「えっ?」


窪内っ…//




あたしにそんな口 きけるんだ。

ふーん。



『窪内先生こそ、夏休み明けから毎日毎日 まいっにち 眠そうだけど〜…』

「えっ?あ、、河合先生!」


『どうしたんですか〜?寝不足ですか〜?あっ、夜寝られないんですか〜?』

「ん?そーなのか?窪内先生。」


「えっ?いや、あ、ボクちょっと理科室にっっ!!」



あ、逃げた。


あれから…半同棲なんでしょ?

知ってんだから。





んー…っ って 伸びして




さて と、


大原先生もうるさいから

避難訓練のプログラムでも 打ち込むかな。




コーヒーを入れに立った時、


明けっぱなしの窓から



風が吹いて…






届いたままのFAXが


風に乗って 床に落ちた。




仕方なく 拾い上げて

何となく 目を落とす。




…ん?




えっ?

はっ?







…あのやろう。



あたし 何も聴いてないんだけど(怒)。




副校長宛の 手書きの文章は


見慣れた文字。




《そちらに短期留学する生徒一覧を、

今朝郵送しました!


引率はボクがさせていただきます。



短い間ですがお世話になります。

よろしくお願いいたします。



林 邦彦》
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