ドSな彼女 第3章

□困った人々
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くにっちside…


はぁー…女心って


いや、

河合先生の女心?って……




わっかんねぇーー。。



京塚さん送った帰り道。


1人

河合先生を

思いながら 歩いた。



河合先生と二人で 何度も歩いた道。



酔った河合先生を 介抱した公園。

送別会の帰りに 抱きつかれた歩道。

二人で何度か寄った コンビニ。




河合先生の思い出だらけだよー…。




……ん?

あれ?



コンビニの駐車場の

車止めに座ってる人、





どっかで…





ハッ!!

さっきの…


河合先生の部屋にいたヤツじゃん!





やべっ。目、合っちゃったよ。。



「やぁやぁお兄さん!」


お尻をパンパン払いながら

立ち上がって…


こっち 来ちゃった(泣)



思わず 身構える俺。


『あ…さっきは、、どうも。』


努めて 冷静に言った つもり。



ヤツは、

タバコに火をつけながら 話す。


「お兄さんさぁー、聞いてくれる?」

『えっ?はぁ…何でしょ…』



かっ肩に手ぇ回さないで…。



「コレ。この傷見てくれよぉ…。」


チラッて見たら、



顔には引っ掛かれた痕と

目の周りには青アザ。




『いっ痛そうっスね。ハハ…(笑)』

「さっきよぉー千穂にヤらしてくれっつったらさー…」


『えぇっ?!』



んな、ストレートにっ?!

俺の理解を越えている。



「途中までイケそうだったんだよー?なのによぉー……」

『……。』



イケそうだった か。

すげぇ目泳いでんな…今の俺。



そんな事気にする様子もなく、

ヤツは話し続ける。



「アンタが来てさぁ、そっからいきなり嫌がり出してよぉー。」



あの時

俺が行かなかったら そのまま……?



「そんなのあんまりだろぉー?だから無理やり押さえ込んだら このザマだよ。」




フゥ〜って、

タバコの煙。



「アンタがくれたケーキも食い損ねたし、千穂の事も食い損ねたしよぉ〜…」



…何だよそれ。




『…い損ねたとか』

「…あん?」



カーッっとなって、

生まれて始めて


人の胸ぐらを掴んだ。




『くっ食い損ねたとか……言うなっ!!』

「ちょっ…待っ…」



コンビニのお客が

立ち止まってるのに 気づいたけど



止まんなかった。




『河合先生を…女の人を何だと思ってっ…!!』

「いてぇっ!ちょっ…兄ちゃんタバコっ!!」


『近づかないで下さいっ!もう2度と…』


「わかった!わがっだがら…っ!!」




ハッ!!



我に返って

手を離したら、



苦しそうに咳き込む男と


腕に小さくて強い痛み。





遠巻きに


コンビニの店員さんやお客さんたちが


ヒソヒソしながら 見てる。





…まずい。

どうしよー。




『すっすいませんっ!!』

「ゲホッ…ゲェッ…ホ…」




背中を擦る俺の腕を


ヤツが掴む。


「兄ちゃ…冷やした方が…いーよ」



俺の腕には

ヤツのタバコが当たったらしく、


小さな火傷ができてた。




『大丈夫っす。それよりお怪我は…』



オロオロする俺に

意外な言葉。



「あんたが千穂の言ってた「NYで抱かれた男」?」

『…へっ?』




ヨロッて立ち上がって


地面に唾を吐く。




「「もぅ他のオトコじゃ満足できなくされた」って言われてよぉ。」


『えぇぇ!かっかかか河合先生がっ?!』



ちょっっ…

えぇぇ…////



「今度アンタのワザ教えてくれよ!「河合先生」をひぃひぃ言わせた ワ ザ♪」




ポンッて

肩を叩くと



くわえ煙草で歩いてっちゃった。





…え?




へっ?


え?




とりあえず

周囲の人たちに ペコペコ頭下げて…



そそくさと その場から逃げる俺。





「他のオトコじゃ満足できなくされた」??



おっ俺じゃないだろっ?!


でもNYって…。




あの河合先生が

そんな事言うか?



頭の中で



NYでの

夢みたいな記憶が甦る。




今すぐにでも

また




この腕に


河合先生を 抱きたいよ。



今、あの部屋には京塚さんがいる


その現実が


かろうじて 暴走しそうな気持ちに

ブレーキをかけてくれた。
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