あつみな3 〜夢の河〜

□冷たい炎
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敦子side…

ベッドに潜り込んで


あたし 何してればいーの?




隣の部屋からは



なーんか楽しそーな声。



ゴロゴロ転がって


ケータイを見たら……



マネージャーからの 着信。



そっとベランダに出て

掛け直した。



今日は

晴れてて、



月がきれい。



『もしもし。』

「もしもし?敦子?今どこっ?」



『あ、友達んちで……』

「友達?あなた友達いたんだ。」


……何なの。


「新しい仕事 決まりそうよ!また映画で……」

『ほっ本当ですか?!』



「えっと、タイトルが……監督は……」



やったー!


「それまで、ちょっとお休みで良いわよ。けど……」

『……はい?』



「……無いとは思うけど、へんな写真撮られないようにね。」


写真?


無い無い。

この前だって、


指原が注目されただけで

あたしは……



あ、指原。


そーいえば マネージャーの他に


あった着信は、


指原ばっかりだった。




「じゃ、連絡はいつでも取れるようにね!」



ピッ!



長めのお休み。



ケータイを


ポケットに入れようとしたら、



指に

鍵が 触れた。



……本当はわかってるよ。




もぅ 南の彼女には


戻れないんだよね。





スペアキーを 月にかざした。





冷たい輝き。



触れても

ヤケドなんかしない。





ただ、


決して掴めないだけ……







今のあたしの

気持ちみたいだった。




高橋 南に 対しての。
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