あつみな3 〜夢の河〜
□ヒミツの同棲生活3
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南side…
目が覚めると……
キッチンから
フライパンの カチャカチャいう音。
『おはよ。また作ったん?』
「今日は300円でいーよ。」
『またかぃ……(笑)』
百円玉を3つ、テーブルに置いて。
ちょっと……
からかってみたくなったから、
フライパンに集中してる背中を……
抱きしめてみた。
「っきゃぁぁぁぁっ!!」
ガタッ!
『あぅわっちぃぃぃぃぃぃっ!!』
…………結果。
ヤケドしました。。
氷で指先を冷やすボクを
横から覗いてる敦子。
「……舐めとけば治るんじゃないのっ?」
『治らんわっ!』
「あたし悪くなくない?」
『……五分五分でス。』
「1:9くらいじゃない?」
『……ボクが1?』
「あたしが1!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜
今朝も 電車では、
渡辺さんと一緒。
……本当 二重生活やな。
つり革を掴む ボクの手を見て、
「……!どーしたん?」
『あ、コレ?今朝ヤケドして……』
「……痛そー。ウチもこの前痛かったん。」
電車を降りたら、
コンビニに走ってって……
「はい!冷えピタ。早く治して下さいね♪」
……天使やっ。
ったく!
それに比べて……
「……舐めとけば治るんじゃないのっ?」
黒い天使のヒトコト。
「高橋先生?」
『えっ?』
ハタと、我に返る。
「冷えピタあかんかった?」
『全然っ!嬉しかったでスよ。何で?』
「何か……苦笑いしてたから。」
『そっそうやった?……ハハッ……(汗)』
「最近……時々上の空の時がありますね?」
……ドキッ!
『いっいとこがっ……夜遅くまで起きてて、なかなか寝れないんでスよねー……』
「そうなんや……なら、」
渡辺さんが、小さく言った。
「今夜……電話しても良いですか?」
あー…電話 か。
『あ…今夜は……うーん。。』
「……ダメなん?」
『そうやなぁ……』
「わかりました。」
『えっ?』
ちょっと 吐き捨てるような言い方。
「もう……良いです。ウチ、先行きますね!」
タタタタッ……って、走ってっちゃった。
電話くらい……
でも、、
敦子のいる場所で
コソコソしたくなかった。
なんて、
ボクの このどっち付かずな思いこそ、
カッコ悪いことだって
わかってる。