あつみな3 〜夢の河〜
□アイ
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南side…
ボクの部屋に
敦子がいる。
『ん、ココア。』
「あ、ありがと。」
『なんか……』
「え?」
『再会した日みたいやな(笑)』
「…再会?」
敦子が
ココアを口に含む。
『敦子が、初めてここに来た日。』
「……南スッゴい冷たかった。」
『そーだったっけ?』
「そーだよっ。雨とか…雷だって鳴ってるのに、あたしに早く帰れって言ってさ。」
『あー…だってそれはさ。』
思い出して ムクれる敦子。
「それにスッゴい…怖かったし……」
『怖かった?ボクが?』
コクッ って
頷く。
「怒ったままあたしの事、押し倒し…」
『わぁぁぁっ!!やめっっ//』
ちょーど今、
敦子が座ってる辺りに
あの日 ボクは
敦子を 組み伏せて……////
……コホンッ。
焦って 話をそらした。
『あっ敦子はさっ』
「なに?」
『卒業して別れた時から…誰か好きになったりさ……しなかったん?』
「……あたし?」
『お……おん。』
敦子が
んー?って
首を傾げた。
『カッコいい俳優さんとかいっぱいいたやろ?無かったん?何も……』
「まぁ……無かったから、ヒドイ目に遭ったんじゃん?」
『ヒドイ目?』
敦子が
口を尖らせる。
「最初の時より……痛かったんだからっ////」
『……あ゛////』
話……戻された。。
『ごめんって!その節は……すみませんでした。。』
「ふふっ(笑)」
笑った敦子と
目が合って……
しばらく 見つめ合った。
あの時は
想像もしなかったな。
それからの ボクらを……。
『明日から、どーしよっか?』
「……ん。」
しばらく黙ってた敦子が、
ポツンと 呟くように言った。
「事務所 行ってくる。」
『えっ?』
「いなくなってから電話鳴りっぱなしだし……」
『……そっか。。』
また一口
ココアを飲んだ敦子。
『あのさ……』
「……?」
目を真っ直ぐに 見た。
『ボクも 行って良い?ってか、行くわ。』
「え?」
『敦子の事務所。』
もう
避けては通れない道だと思った。