ドSな彼女〜河合先生とくにっち〜

□回想…河合さんの恋〜危険な約束〜
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捻挫した日の放課後…




職員玄関の横に隠れて、

あたしはずっと先生を待ってた。




「上着返さなきゃ…ただそれだけだもん。」





自分に言い聞かせながら。



足が震えてるのは、

きっとケガのせい。




緊張なんか…してない!





1時間くらい経って…



何人かの先生が

帰ってったけど、



まだ笹原先生は出てこない。




ドアが開く度に

ドキドキするのにも
疲れて来ちゃった…。



先生の上着。



抱えて座ると、

またあの優しい匂いがした。




……なんか良い気持ち。




優しい匂いを 抱えたまま



ぼんやり してた。



〜〜〜〜〜〜〜



「……っさん?河合さん…河合さんっ。」


『…ん。お母さぁん…?』




んー…よく寝た。

……ん?




「ぶはっ…(笑)」



目を擦りながら

周りを見渡すと…




……!!





なんでっ…?!

笹原先生がっ……//?




あっ……!!

あたし先生を待ってて…


それで……寝ちゃったの??




「今さ、俺のことお母さんって言った(笑)?」

『やっ…あのっ…違っ…////』



「大丈夫(笑)?何してんの?」


優しい目で

顔を覗きこむ 先生。



あっ!そうだった。



『うっ上着!返さなきゃと思って…はいっ』

「わざわざ?そんなの明日でも良かったのに…風邪ひくぞっ!」





明日でも良かった

それは 自分でもわかってた。




ただ今日 渡したかった。




その理由…


まだボーっとしてる頭のまま



その答えを



口に出してみた。



『良くわかんないけど…今日返したかったんです。』

「え(笑)?」



『あ…あたし…』

「どうした?」





先生の優しい眼差し。



その目をじっと見たら

答えが書いてあった。






『何か…すごく会いたくて……』

「河合さん?」




『笹原先生に…会いたくて…』

「…え?」





『あたし…先生が……』



先生の コトが……




「おー!河合?何してるんだ?」



突然 担任の声がして、

ハッて我に返る。





あたし今……何を言おうとしたの?






急に恥ずかしくなって

『さっさようならっ。』




言い捨てて、


痛む足を庇いながら

その場から逃げ出しちゃった。




何やってんの?あたし……
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