ドSな彼女〜河合先生とくにっち〜

□秋までは……
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くにっちside…

体育館に向かう俺。
笹原先生は大学時代、バスケで名を馳せた人らしくて。

今日はバスケ部の臨時コーチをしているらしい。

「ありがとうございましたぁーっ!!」

ちょうどバスケ部の練習が終わったとこだった。

体育館から出てきた笹原先生に声を掛ける。

『笹原先生!お疲れさまです。』

「あ、お疲れさまです。」

『強かったんでしょ?バスケ。聞きましたよー!』

「あぁ、大学でちょっと……」

『もー!腕が強いんだからー。河合先生に腕枕なんかさせないで、自分がしてあげなきゃじゃないですかー!』

出来るだけ明るく言った……つもり。

「えっ…?あ…すみません。。林先生…」

否定しない……か。

『すみませんなんて…良かったですよ。河合先生が幸せになるなら…』

「…いや、僕は」

『付き合い始めたんじゃないんですか?』

「……」

えっ……どういうこと?

『まさか…付き合ってないのに…手…出したんじゃないですよね…?』

「…この夏だけ…一緒にいようって約束したんです。」

『この夏だけ?』

「はい。」

『夏が…終わったら、河合先生はどうなっちゃうんですか?』

「……」

『婚約者がいるから……将来には責任持てないって事ですか?』

「そう受け取られても……仕方がないで…」

バキッ……!!

『……いって。』
拳いってぇ……。


ヤバイっ。
俺が……俺が俺が……人を殴るなんで……。
でも、抑えらんなかった。

「……っ。」

笹原先生は何も言わずに、
口元を押さえてた。

『ふっふざけないでくださいっ!!』

「……。」

『河合先生がどんな気持ちであの夜……アンタのとこに行ったかっ!』

「…すみません。」


別れてくれよ。


『……何とかなりませんか?』

「え……?」

『河合先生……本当に笹原先生が好きなんですよ。』

「林先生……」


俺は何を言ってんだ……?
別れてくれって言えよ!!

でも……

これが俺の
河合先生への愛なんだよな。

『お願いしますっ!』

戸惑う笹原先生に、
頭を下げた。
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