あつみな〜小さな恋のものがたり〜

□ヤキモチ
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南side…

寒いっ!
今朝も寒いでスねー。
教室に入ると優人が珍しく真剣な顔で本を読んでいまス。

『どーかしたんでスか?』

「おー南!お前ならどっちにする?」

『へ?何がでスか?』

「んとなっ、《個室露天風呂付きホテル》と、《天涯付きベッドのゴージャスホテル》どっちかで迷ってんだよ。」

『ほぇ?優人どっか行くんでスか?』

聞きながら買ってきた温かいピザまんを食べる。

「にゃんにゃんとのX'mas旅行だぜー!」
『ほわっ?!』
……ゴホッ…ゲヘゲヘッ!!

「きったねーなー!」

『りょっ旅行って!?ご両親は許してくれたんでスか?』

「ご両親?」

『はい!小嶋さんのっ』

「……南。全部正直に生きてるのが正しい訳じゃねーぜー!」
『へ?……まさか…無断で……』

「まっその時はあっちゃんに協力依頼すっかもしれねーから、よろしくなっ!」
『あっ敦子に?!』
「おー!にゃんにゃんがあっちゃんちに泊まってる事にしてもらうんだぜっ!」

そこに敦子が入ってきた。

「おー!あっちゃん。X'masさー、あっちゃんちににゃんにゃん泊まりに行くって事にしてくんねーか?」

「X'mas?」

敦子!敦子はそんなうそに加担しませんよねっ?

「どっか行くの?」
「温泉旅行だぜっ!」

「……ふーん。いーよー分かったー。」

ちょい待てーーぃ!!

「敦にも言っておいてよー」って言って、敦子は峯岸さんたちの方に行っちゃいました。

……信じられない。

「なー、南たちもどっか行けばいーじゃんかっ。」
『ゆっ優人と一緒にしないでください!』

「あっそうか……」

ニヤッてする優人。

「南は誕生日までおあずけくらってんだよなー(笑)」

『うっうるさいでスっ!』
「あっ、だからお前俺様が羨ましいんだろっ。」
『じっじょーだんじゃないでス!!』

うっ羨ましくなんかっ!!

「あっちゃんにお願いしてみれば?誕生日じゃなくX'masにしてくれってさ。プ レ ゼ ン ト ♪」

『だぁー!!うるさいっ!!』

まったくっ!
優人も小嶋さんも……敦子もっ!!

皆もっとマジメに生きなきゃダメでス!!
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