あつみな〜小さな恋のものがたり〜

□ヤキモチ 2
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敦子side…

部屋に閉じ籠って過ごすX'masイヴ。

南と付き合って初めてのX'masイヴなのに……。

どうして一人にするの?

ずーっと部屋に一人きりでいたけど、

やっぱり南に会いたくて。

学校の前まで来ちゃった。

自転車置き場の裏に隠れて、
寒さでかじかんだ手に息をかける。

「……っぱり最近だと、ワンピースかなぁ。」
「あっ、私も読んでます!」
「マジかっ!女の子も読むんでスねー。」

『!』

南の声……。
それと女の子……?

「あとはー、南先輩は……」

あっ、あの子だ。
前に南が告白されてた子。

何で二人なの?

胸がドキドキする。

二人は南の家とは反対方向に歩いてった。

南の自転車のカゴに、女の子のカバンが入ってる。

どこに行くの?

さりげなく車道側を歩く南。

そういうの、あたしじゃない子にもやるんだね。


……もぅ知らないっ!!

泣くのなんか悔しすぎて嫌。

あたしはわざと乱暴に目を擦って、
自転車を力いっぱい漕いで帰った。

南なんか……

大っキライッ!!!


家に着いたら、また部屋に閉じ籠った。


「オヤジたち、出掛けたよ。」

敦がドア越しに話す。

『……ん。』

「南は?」

『知らないっ……!』

「俺……出掛けるね。」

『あっそ。』

はぁぁ……。

あたし、本当に一人ぼっちになっちゃった。
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