あつみな2〜大人への階段〜

□未来予想図
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南side…

「高橋っ!ちょっといいか?」

帰りのHR後に

担任の先生に呼ばれた。


『何か?』

「お前さ、前田と仲良かったよな?幼馴染みだっけ?」

……ドキッ。

『…はい。』

「悪いんだけどさー、進路早く決めるよう話してくれないか?」

……進路?

「ウチのクラスで前田だけなんだよ、何も希望書かない奴。」


……マジか。


『あー…じゃ今日聞いてみまス。』


「悪いなっ!」


ポンッと、

背中を叩かれる。


敦子ぉー。

しっかりしろよー。



夕方…

敦子の部屋で

話を切り出す。


『敦子ぉー。進路どしたぁ?』

「へ?しんろ?」

『せんせーが心配してたぞ。』

「…何で南に話してんの?」

『敦子と話してもラチが明かないからやろぉー』

「……個人情報なのに。。」

『なーにが個人情報でスか。。』


勉強机の椅子に

ワザと乱暴に座った風な敦子。


「あたし勉強したくないしー、なりたいものも無いしー、フリーターでいっかなって。」

『フリーターだって大変なんだぞっ。』

「うっさいなー。じゃー家事手伝い。」

『高校生活で何してきたんやっ!』

「はぁ?!」


『あのな、敦子。高校時代に皆考えるんや。自分は将来何になりたいのか、何が向いてるのか。』

「…うっそー?」

『真面目に聞け!で、大学や就職やその他色んな選択をな、皆この時期にするんだって。』


「……じゃあ南はっ?」

『え?』


「そんなえらそーなコト言うからには決まってんでしょ?」


『……当たり前やろ。』


敦子が

ビックリしたように

ボクを見た。


「……あたし何も聞いてない。。」


『え?いや、だって……別に遠くに進学するとかじゃないし……』




「そーいうコト、あ…あたしには…話してくれないんだー……。」

『話をすり替えんなって!だから敦子の進路を……』


「いーよっ!南になんか指図されなくたって、一人でちゃんと決めるもんっ!!」


『んな、怒んなって!』

「怒ってないっ。……もぅ考えるから出てって!」

『あのな敦子、ボクは……』

「あーもー出てけーっ!!!」



部屋から押し出され……


……バタンッ!



ドアを閉められた。


「……敦子がごめんネ。」

『あ、あっくん。』

「この前……父さん達が帰って来たときも、大学行けって言われてさ。」

『……で?』

「やりたいコト無いから行きたくないって。「南と結婚するからいいのっ!」とか言ってさ。」

『うぇぇ?!』


「……母さんに「南君にだって将来があるんだから」ってたしなめられて逆ギレしてた。」


……そっか。


『そこへ来てあんな言い方……マズかったでスね。』


「いや、南は悪くないよ。敦子が甘ったれてるだけだし……」


『でも……。ボクもぅ1回……』


「……しばらく放っときなよ。今は意地になるだけだからさ。」


確かに……。



あっくんに言われて



ひとまず



うしろ髪引かれながら……



家に帰った。
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