ドSな彼女 第2章

□泣ける場所
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千穂side…


翌朝……

『ポッツー。』

「にゃーにゃー♪」

ポッツはだいぶ元気になったみたい。

金網越しに、

あたしの指に じゃれつく。


「河合さん、ポッツさん明日の午後退院にしましょう。」

『えっ!』

「ポッツさん頑張りましたね!」

『ありがとうございましたっ。』


やった!

ポッツ……良かったぁ。



病院から出て、

待っててくれた林先生にも知らせる。

「良かったですね!」

『あーぁ。明日からまた部屋が汚れちゃう……』

「……素直じゃないなぁ」

『あたしはいつだって素直ですー。』


「ハイハイ。で、どこ行きます?車レンタルしてきました。」


『……そのまえに、話聞かせて?』


「あ……いきなり(笑)?」


黙ってじっと

林先生をみつめた。


「わかりましたよ…。車の中で話します。」


レンタカーの 助手席。

運転席に林先生。



クルマって不思議。

ただ 椅子に座るより、

何か落ち着く。。



『ちゃんと話してっ。』

急かすあたし。

「……わかってますよ。」

林先生は、

ちょっと話し難そうだった。


「…付き合っても無いのに、こんな事言うのはおかしいんですけど……」


『?』



「…………っ」


ハンドルに伏せて


あたしの方を見ないで、


話しはじめた。


「ボク……河合先生を好きじゃないですか。」

『え……あのっ……』


「好きになればなるほど、そのっ…笹原先生との事を色々考えちゃって……」


……!


「昨日はそれが耐えられなくなっちゃって……」

『……どういう事?例えば』


「それ聞いちゃいます(笑)?」


『だって…聞かなきゃわかんないもん。』


「……笹原先生と……その……手繋いだり、キスしたり……抱きあっ…」


……!!



『もぅ良いっわかりました////』


「付き合っても無いのにドン引きですよね(笑)。」


自嘲ぎみに話す

林先生。



「でも…頭から離れなくて……。」

……もしかしたら、あたし以上に

笹原先生から抜けられない人なのかもしれない。


「寝言で『先生?』って言ったんですよ。河合先生。」


『……あっ//』


「聞いた瞬間、笹原先生を呼ぶ河合先生が浮かんじゃって…今も離れないんです。」



もしかしたら…

二人でなら、


辛くないかもしれない。




『伊豆行かない?今から。』

「へっ?」

『あっ、もちろん日帰りですよっ。付き合っても無いですからっ……あたしたち。』



「……良いですけど…何で?」

『いーからっ!』


「……」




林先生が、


クルマのエンジンを


かけた。
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