あつみな3 〜夢の河〜
□4度目の 春
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南side…
数日後……
いつもと何ら変わらない 朝。
でも、
ボクの頭は昨日から固まったまま……。
昨日の夕方
ポストに届いた封筒。
あっくんからの 手紙。
部屋に入らないで
その場で 開けた。
《南へ
久しぶり。
今週から公開される
映画のチケット 送るね。
「前田敦子」の初出演映画だよ。
良かったら 観てやって。
また 皆で会えたら良いね。
敦より》
「おはようございまーす♪」
『……おはようございまス。』
「はー、やっと週末ですねー。」
渡辺さんの話を上の空で聴いてた。
明日、
映画 観に行こっかな。。
「……高橋先生、明日とかって何かありますか？」
『え？』
「ウチー、行きたいゴハン屋さんがあって。」
『あ、へぇー。』
「……良かったら、一緒に//」
『あ、明日は……映画観よっかなって。』
「映画？誰かと…ですか？」
『いやっ、一人だけど……』
「何観るんですか？」
『あー……『ヘタレなカレシ』ってヤツで。』
「あっ！ウチも観たいんですよー。一緒に……」
『１人でっ！……』
「えっ？」
……はっ しまった。。
「……。」
『あ。ごめん、えっ映画は、一人に限るなー……なんてっ』
「……そう ですか。。」
ｼｭﾝとしちゃった。
『あ、でも……その後なら』
「えっ？」
『ゴハンだけ 行きまスか？』
「……良いんですか？」
『行きたいゴハン屋さん、連れてってください！』
「……やった♪」
嬉しそーに
唇を噛んで
はにかむ 横顔。
さすがに鈍感なボクでも……
自分に向けられた好意に
気付く レベル。
へへっ……(笑)
何か 照れ臭くて
電車の中吊りを見てごまかした。
…………ん？
何気なく読んだ
週刊誌の見出し。
《映画『ヘタレなカレシ』で
大ブレイク中の主演俳優、熱愛！！》
あれ？
敦子の……映画？
大きな見出しの横にある
小さな文字を読んだ瞬間
…………ﾄﾞｷｯ！！
視界が 揺らいだ。
「高橋先生？どうかしましたか？」
『……え？』
「降りないと(笑)」
『あ。』
気づいたら駅に着いてた。
慌てて 降りる。
「……高橋先生？」
渡辺さんが
心配そうに顔を覗きこんでる。
『あ、ちょっとコンビニ寄るんで……先に行っててくださいっ。』
渡辺さんを置いて走り出した。