Long story

□桜。
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あ、




入院で休学してた人だ。





ふと、彼と目が合う。





大きな女の子みたいな目がこっちを見つめる。




ドキ……………



そして、俺の方を指差して、



「ぶはっっ!!

誰だよこんなの思いついたヤツ!?

葬式みてぇ!」


そう言って大笑い。




初対面の人にまで笑われて…………


ヤバい。泣くかも。




《ウケるだろ!!俺がやったんだ!》


「へーお前、何て名前?」




だめ………泣くなっ


泣いたらこのゲームに負けたことに……___



《神山だぜっよろしく!》


「もちろん!」



スッ………

花瓶を持った彼は___


「お断りでーす♬」


ザパーーーー・・

神山の頭に花瓶の中身をぶっかけた。


「神山くん?マジうけねぇんだけど。

くっっっだらねーことしてんじゃねーよ……

自分のしたことよーく考えて頭冷やしやがれ」


ドキン………

胸が高く波打つ。



___え?

「お前らも!見て見ぬ振りしてんじゃねーよ!」


助けてくれるの?



彼が振り向いて、俺の足下を見た。


「あれ?二宮くん上靴ないの?」

さっきのことが嘘のような優しい甘い声。



「あ………えっと……」


その変わりように何故か戸惑う俺。


「職員室、スリッパ借りいこ?」


そのまま俺のほうに来て、なぜかひょいっと抱き上げられた。

俗に言うお姫様抱っこ。


え?なんで?





「いっいいですっ!自分で歩きますから!」



「そ?」





なんとか下ろしてもらえる。








だけど………………
















だけど…………………












「櫻井くん、あの……」
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