恋に落ちるとき
□自慢の彼氏 WH
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急遽同僚たちに食事に誘われ断る理由もなく今に至る。
「明日は休みだからいっか〜」
ほろ酔い気分でアパートまで帰ってくると誰もいないはずの部屋に明かりが点いている。戸惑いながらも恐る恐るドアを開ける。
「ヌナ〜!!お帰り!!」
ウヒョンが私の方へ駆け寄って来る。
「帰国って明日じゃなかったの?」
「スケジュールの調整ついて一日早まったの。それよりヌナお酒飲んできたの?」
怪訝そうな顔をしているウヒョンのことは気にも留めず勢いよく彼の胸に飛び込んだ。
「ウヒョン…会いたかったよ。」
「うん、俺も。」
ふと視線を上げるとエプロンが目に入る。そういえば美味しそうな臭いが鼻を掠める。
「美味しそうな臭い。何の臭い?」
「ふふ〜ヌナに食べさせたくて味噌チゲ作ったの。」
私の赤いチェックのエプロンを腰に巻いて得意気に話すウヒョンが可愛くてしょうがない。
「美味しそう!ご飯食べてきたけどこれなら食べれそう♪」
「ねぇ、会社の人と飲んで来たの?それって男の人もいたの?」
私の向かいに座りしかめっ面で問い詰めてくるウヒョン。
「う〜ん、いたよ。でも二人っきりじゃないから。」
「二人っきりじゃなくてもダメ!ヌナを狙ってる奴だったらどうするの。ねぇ、聞いてる?!」
目の前にいるこんな素敵な彼氏から心地よい束縛を受けて私は幸せな気分だった。
「ウヒョン以外に私が惹かれるわけがないでしょ。かっこよくて、可愛くて、歌が上手くて、おまけに料理も上手で…こんな人他にいないでしょ?」
ウヒョンは照れ笑いを浮かべながら私の手を握ってくる。
「そうだよ、ヌナは幸せ者。だから今日はたくさん彼氏サービスしてね。」
「うん。もちろん。何して欲しい??」
「じゃあ…まずはキスね♪」
私の右手から箸を奪うと身を乗り出し目を閉じて自分の唇をツン、ツンと指差すウヒョン。
「ダメだよ〜今チゲ食べたばっかりだもん。」
「んも〜嘘つき。」と膨れっ面で嘆きそっぽを向くウヒョン。彼の機嫌を損ねると後々面倒なことになる。彼の後ろに回り抱きつきほっぺにチュッとキスする。
「ごめんってば。あとでたくさんキスしようね♪」
それを聞いて機嫌が直ったのかすぐに笑顔になる彼。
愛する彼のために今夜はたくさんサービスしてあげなきゃ。まぁ、どうせベッドでは立場が逆転しちゃうんだけど……。