★小説★

□セクソシスト
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『??お前何怒ってんの?』
日向が悲しげな顔でそう言った。

『トビオちゃんはおチビちゃんを取られるのが嫌なんじゃない?』
及川さんが意地悪な笑顔でそう答える。


違う…そうじゃない。


『え〜??そうなのかな〜?影山それで怒ってんの?別に俺、チーム烏野であることには変わりないし?』
人差し指を自分の頬に当て、小首をかしげる日向。
なんなんだその仕草は。
本当に同じ高校一年の男子か!

高校一年の男子たるもの、そんなぶりぶりな仕草しね〜んだよ。


ぎりぎりと唇を噛むオレのことを日向はじっと見つめてくる。


『……なんだよ。』
不機嫌なままにオレは日向に食ってかかった。


『はは〜ん…あ〜そう、そう言う〜こと〜?』
突然日向は目を細めて頷きだした。

『何だってんだよ。』
オレも負けじと目を細めて日向をにらみ返した。


『お前…俺を取られるのが気に食わないんじゃなくて、俺が及川さんと仲良くするのが嫌なんだろ〜〜!!』

やーいやーいと言わんばかりの格好で日向はオレを指差した。


『なっっ///違っっ!!』

オレは慌てて否定した。

だってそれって

オレが…及川さんと仲良くする日向を見て嫉妬してるって意味だろ?


『えーー?何〜?お前俺のことが好きだったの?』
及川さんが意地悪な表情を浮かべながらわざと後ずさりする。
日向を後ろから両腕で抱き、一緒に後ずさるのだ。

『あん♪大魔王様、積極的〜♪ダ〜メデスよぉ♪影山が嫉妬する〜♪』

『誰が嫉妬だ誰が!違うっっつってんだろ〜がボゲぇ!!』


オレは必死に否定した。

まるで自分の心がこの二人に見透かされたみたいで…

凄く恥ずかしくて、凄く情けなくなってしまった。


ぶんぶんと髪が乱れるのも気にせずオレは首を横に振った。
日向の野郎〜はいつもオレのことを淫乱だと思ってるようだから気にしないが…
及川さんにオレが変態だと思われるのは耐え難い。


ああそうさ。


オレは及川さんが日向に取られたような気になって
嫉妬したんだ。


だけどソレをここで言わなくてもいいじゃね〜かバカヤロー!
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