★小説★

□ファック トゥー ザ フューチャー
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埃にまみれた人形みたい
愛されて捨てられて
忘れられた部屋の片隅

──弘田三枝子『人形の家』より



【ファック トゥー ザ フューチャー】



『うぅ…くそ!寝れねぇ…』
影山飛雄は布団の中でぼそりと呟いた。

ここは合宿場。
烏野高校バレーボール部はゴールデンウィークを利用して合宿をしているのだった。
雑魚寝で寝ている他の部員は皆、一様にいびきなどをかきながら寝てしまっていた。


影山が寝られない理由…
それは

『マジで疼く。ヌキてぇ…』

そう
思春期真っ盛りの高校男子にとってオナニーは日々の日課だ。
一日たりともヌかない日などない。


だが周りのチームメイトたちはすやすやと眠っている。
皆どうやってその辺の事情を処理しているのだろうか。
影山には疑問だった。


そんな考えを巡らせている今も影山の下半身は重く硬く勃起している。
無我の境地になって心を鎮めようとしても無駄だった。
影山のチンコは鎮めようと頑張れば頑張るほど血液を充填していった。



触りたい…
しごきたい…



そんな欲求を抑えられず、一人布団の中で手を伸ばす。
ちょんと指先で触れればその刺激に棒状のモノはビクンビクンと痙攣した。
淫らな刺激が背筋をぞぞぞと迸って心地よい。

眠っている皆に気づかれないように影山はそっと布団の中でズボンを脱いだ。
楽になった下半身を感じてパンツの上からソレをさする。


淫らな衣擦れの音が小さく耳に届く。
だがこのくらいの音では誰も気づかないだろう。
調子にノった影山は恐る恐るトランクスを降ろしてしまった。

既に影山の先っちょからはねっとりとした汁が出てきているようだった。
布団が汚れないように両脚をくの字に曲げ、局部に布団が当たらないような空間を作った。

そして片手で勃起したチンコを掴み上下運動。



『やべ…止まらない。。。』



快楽を感じ始めた影山。
理性ではやめなければと分かっていても
欲望がその手の動きを止めてさせてくれなかった。


まずい。

このまま続けてはまずい。


ティッシュも何も用意していない今、出してしまったらとんでもないことになる。
頭の中では分かっていても、どうしても手が止められない。


『はぁ…はぁ…はぁ…』
いつの間にか息が荒くなってしまった。

最初は片手だったイタズラな手も
今では両手が加勢している。
もう既に両手は自分の我慢汁でぬたぬたになっていた。


『キモ////ちぃ///』

目を閉じて快楽に耽っていたその時。



『──山。』

『──山くん。』

『─影山さん♪』


ガバっっ!!!!!!!!!!



『!!!!!!!!!!あっっ!!!』

下半身が露わになった影山のカラダは突然外気に晒される。
剥ぎ取られた布団の向こうには、にやにやと笑顔を浮かべている日向翔陽の顔があった。
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