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□リンレイパラドックス
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怜『お願いします!僕に泳ぎを教えて下さい!!』
凛『…。』

初夏。強い日差しを一日中浴びた暑いアスファルトに、これでもかと言わんばかりに額と眼鏡をこすりつけ土下座をしていた。

怜『お願いします!僕に泳ぎを教えてください!』


何度か頼まれたが面倒なので断っていたのだが、側から見たら明らかにヤバイ光景である。

凛『いきなりそんな事言われても困るし、何でよりにもよって俺なんだよ!?教わるなら同じ部の遙や真琴に頼めばいいだろ。』


怜『…ちゃんと泳げるようにならないと、いつまで経っても足手まといのままなんです。でも、遙先輩たちの練習の邪魔をする訳にはいきません!』

凛『って、俺の邪魔はして良いのかよ!』
怜『…。』
凛『あと、お前バッタは泳げてたよな?それ泳げれば良いだろ。』

怜『ええ、僕も最初は遥先輩のようにバッタだけ泳げれば十分じゃないかなって思ってました。必死に足掻く僕の姿は美しくない、そんな姿を晒し続けるくらいなら、いっそ他のスタイルは泳げなくてもいいって。』

凛『じぁあ、何で?』

怜『遙先輩です。』
凛『え?ハル?』
怜『そうです。』
凛『でも、ハルを見てバッタ一本で行こうか迷ったんだろ?』
怜『ええ、でも遙先輩を見てたら、それと同時に、何の為に水泳をやるのか、ちゃんと考えれたんです。』
凛『何の為に…か。』
怜『あの人は泳ぎたいから泳いでるんです。』
凛『じゃあ、お前は何の為に泳ぐんだ?』
怜『僕はみんなの為に泳ぎたいんです。』
凛『…わかった。教えてやるよ。』

その日から毎日、彼は放課後の練習に付き合ってくれた。最初はまともに泳げずに、沈んでばかりだったけど、それぞれの泳法を丁寧レクチャーしてもらい、数週間後にはバックもブレもフリーも、浮いて前に進むようまでになっていた。

凛『にしても、よくここまで泳げるようになったなあ。正直、途中で投げ出すかと思ったぜ。』
怜『凛さんの教え方がよかったんです!』
凛『そっか。』
怜『すみません、お忙しいのに練習付き合って貰ってしまって…ありがとうございました。』
凛『練習後なら構わねえよ。人に教えんの嫌いじゃないし、それにお前には借りがあるしな。』
怜『え?』
凛『いや、なんでもねえっ!まだ時間あるし、最後は俺の泳ぎについてこい!』

何の照れ隠しなのかわからないが、唐突な提案に戸惑う怜。というより理論的にそんなの無理ですと内心思っていたが、つい口に出てしまった。

怜『え、むr!?』
凛『無理とは言わせねーぞ。』
怜『それは無謀かと…遙さんなら凛さんの泳ぎについていけるかもしれませんが…』
凛『バーカ、本気出すわけねーだろ。ゆっくり泳ぐからついてくればいいよ。今日で最後なんだから一緒に泳ごーぜ。』

怜『そ、そういうことであれば。』

流される形になってしまったが、不思議と嫌ではない。遙さん達と似た物を感じる。
などとボーっと考えていると

凛『4個メ、1セットでいくぞー。』
怜『…あ、はいっ』
凛『何ボーっとしてんだよ、溺れるぞ』
怜『すみません…』
凛『俺がスタートしてから、5秒後に出ろよ』
怜『わかりました』

またボーっとしてしまった。
僕としたことが…今日はなんだかいつもの調子じゃない。

そしてスタート。
当たり前だけど、凛のフォームはとても美しかった。…それから10秒遅れてのスタート。

最初はバッタだったので、なんとか凛の後ろにつけた。

怜(どこがゆっくりなんですかね!)

そうこうしているうちに、最初の100メートルが終わろうとしていた。不安が胸によぎる。

壁にタッチし、その勢いで天井を向いたまま一気に蹴り出す。まだ鼻に水が入り、油断すると沈みそうになるが、何とか泳げてる。

後ろから追いかけてるから、凛さんが今どの位置にいるかわからない。

そんな事をグルグル考えていると5mフラッグが見えてきた。片方の手を伸ばし、ターンに備える。

手や頭を思いっきりぶつけないように慎重になり過ぎて、やや減速してしまった。
随分と離れしまっただろうなと思い、ブレストの態勢に入ったところで気が付いた。

怜(あれ、まだ近い…)

また無我夢中で泳ぎだした。
ブレストは前を泳ぐ人のお尻が丸見えになる泳法だ。嫌でも見続けることになる。

怜『あぁ…なんて綺麗な臀部なんだろう…。吸い込まれてしまいそうです…。』

渚(いわとびっくりぱん何処からだべる?)
怜(僕はお尻から!)

怜の体が急加速し、無意識に凛のその綺麗なお尻に齧り付きに行っていた。

途端に目の前が真っ暗になり…


少年『ねえ!大丈夫か!?お兄さん!ねえ!』
怜『んん…』
少年『よかった!気付いたんだな!』
怜『あれ…?ここは…』
少年『どこってプールだけど…ってか俺が泳いでたら急に肩車してくるからびっくりしたよ。しかも気絶してるし。』
怜『いや、そうじゃなくてですね!さっきまでここで泳いでて…!!』
少年『んー、今日は俺しかいないけど』
怜『そんなはずはありません!だって…!』
少年『ちょっとちょっと落ち着いて!
とりあえず…まず、降ろして。』


少年を降ろしたのちに
プールサイドにてひとときの沈黙。

そりゃそうだ。知らん年上の男が水中からいきなり肩車してきたのだ。完全に怪しい人である。

少年『え、お兄ちゃん同じくらいの背丈で、紫色髪の人…?』
怜『はい、さっきまで一緒に泳いでて…』
少年『いや、見てないよ。』
怜(何が起っているんだ…)

状況が全く理解できていない怜であったが、相手は子供。この少年も何が起こっているかわかっていないのだと悟る。

怜『そうですか…泳いでるとたまにスイマーズハイで幻覚を見るんですよね、僕。はーはっはっは!』

咄嗟に誤魔化した。

少年『すいまーず、はい?』
怜『泳いでて苦しくなったあとにくる、一種の絶頂のようなものですね』
少年『ぜっちょう…?』
怜(難しい言葉を使い過ぎましたかね…)

そう考えてると少年がなにかを思いついたような仕草して怜に話しかけてきた。

少年『なあ、そのすいまーずはいでぜっちょうってやつ、俺もなってみたい!見えない物が見えるようになるんだろ?』
怜『え』

何か勘違いをしてくれたらしい。

怜『そそそそーです!スイマーズハイとは見えない物が見えるようになる神の領域。僕は今、絶頂を迎えているのです!』

おおーと少年が感嘆している。

怜『ということで、僕はこれで帰ります。今日の絶頂はここまで!あー気持ちよかった!』

とにかく、一旦外に出て色々と状況を整理したかった怜は、急いでプールサイドなあがろうとしたその瞬間、下腹部の方から嫌な音が聞こえた。

ズルッ

怜『え…?』

良く見ると、少年が怜の水着をつかんでいた。脱がしていた。

少年『なあ俺にも、ぜっちょう教えて』



トュンク



ちょっと可愛いなと思ったが、股のスースーする感覚が怜を一瞬で正気に戻す。

怜『な、、その前にまず水着を返してください!』
少年『教えてくれたら返す。』

そういうと、少年は自分の水着の中に怜の水着をしまってしまった。
しばらくすると、少年は黙り込んでしまう。


少年『…』


怜『なんで、見えない物が見えるようになりたいんですか?』
少年『…』
怜『黙っていたらわかりませんよ。』
少年『…あいつには見えてるんだ。この水の中で、俺には見えない景色が』
怜『あいつ…?』
少年『俺、泳ぎ下手なんだ。でもあいつがいつも気持ち良さそうに泳いでて、良いなって。俺もあいつが見てる景色が見てみたい』

その「あいつ」が誰だかは知らないがこの歳でライバルを意識するとはこの子、本当に○学生なのか?と感心しつつ尋ねる。

怜『つまり、まずはちゃんと泳げるようになりたいってことですね?』
少年『そうだよ。』
怜『はあ…仕方ありませんね。僕が泳ぎ方を教えてあげます。』
少年『本当?やったあ!』

泳法の理論自体は完全に理解しているのと、
人に教えることで自分も確認できると思い、教えてあげることにしたのであった。

少年の希望で、基本の泳ぎをバック・ブレ・フリーの順番でレクチャーすることになった。水中用の台に乗りながら、少年の身体を水面に浮かし身体に触れたが、とても軽かった。普通はもう少し重さを感じるはずなのに…

そして、さっきまでは意識していなかったが、バックの為に水に浮かせると、体幹から下腹部辺りまでが水面にでてくる。まだ発達途中の小さい胸が水の揺れで左右に水中と水面を行ったりきたりする。そして怜の水着を突っ込んでる所為もあって、少年の下腹部は物凄く隆起していた。更に少年の身体が軽くなる。

目のやり場に困りながらも、何とかバックのレクチャーを終了させた。

怜『すみません』
少年『なに?』
怜『そろそろ水着を返して貰えませんか?』
少年『やーだよ』
怜『ぐぬぬ』

ブレのレクチャーが始まった。
壁に手をつけて両脚を浮かせキックの体勢に入った。

少年『俺、キックが苦手なんだ。全然前に進まない。』

少年が水中でブレのキックを何回もやってみせたが、直ぐに原因に気が付いた。

怜『煽り足ですね。』

足の甲で水を蹴ってしまい、推進力を全て逃してしまう初心者あるあるなキックだった。ふむ、これは両足の裏を掴んで水面と垂直になるように蹴り出す感覚を覚えさせれば、治るな…などと考えて、おもむろに少年の両足の裏を持ち上げ、壁に手をつかせながら股を開かせた。

少年『いてっ…』
怜『!?』

どうやら臀部が痛いようだ。
良くみると血が滲み、水面が少し濁っている。アナリーからだった。しまったと思った。多分、股を強く開きすぎたんだ…これ以上は選手生命に関わるかもしれないからレクチャーを中止しようと思い

怜『ち、血が出てるじゃないですか、今日はもう辞めましょう…』
少年『大丈夫』
怜『でも…』
少年『大丈夫だから…!』

その少年の目に、かつて凛さんにお願いをした時の自分の姿を見た。この少年もまた、何かに囚われて、それを倒すために、越えるために必死なのだと感じた。

怜『わかりました。あなたの本気、ちゃんと伝わりました。』

それから怜は少年に煽り足について説明し、この癖を治すために股を全開にするから更に痛みを感じるが耐えられるか尋ねた。

少年『うん、耐えられる』

その言葉に嘘も偽りもなかった。
そこにあったのは男としての誇り(プライド)だった。

一回、二回と強くおしだす感覚が、少年の足の裏から感じられる。それと同時に痛覚に響くような反射的なビクつきも少し。だがそのビクつきに何故か自分のちんぽが反応していることに戸惑いを感じていた。

怜(これは生物学的な本能であり、決してやましい気持ちがあるわけでは、断じてないのです!)

そんなことを考えていたせいか、押し出す時の強さを間違えしまい、手が滑ってしまった。

ズブり。

怜のちんぽが少年のアナリーに入ってしまっていた。あわわわわと慌てて出そうとすると

少年『ん…///』

理性が吹っ飛んだ。
こんな経験初めてでどうしたら良いかわからなかったが、その細い腰に手をかけ、自分の腰が勝手に動いていた。

怜『くっ…はあ』
少年『い、いた…い///』
怜『僕がレクチャーします。お尻の治療もします。あああああ!!』

ドクドク

怜のちんぽから治療薬が出てる。
後ろにいる怜に、少年は恍惚な表情を浮かべながら

少年『お兄さん…これがスイマーズハイなんだね…ぜっちょうして全部見えちゃった…』

その瞬間、視界が真っ白になり
例の身体はちんぽごと少年のアナリーに吸い込まれていった。


凛『ふぉい///』
怜(…)
凛『なんほかいへよ///』
怜(…)

凛さんがプールサイドに座った僕の股間に顔を埋めて、睨みつけるような三白眼をさらに上目遣いにして、顔を赤らめながら自分のちんぽをしゃぶっている。

じゅぷじゅぷと音を立てながら、たまにその可愛い八重歯で歯を立ててくる。
あれ、僕は一体何を…

怜『うわああっ!?り、凛さん何やってるんですか!?』

キュポンッとちんぽから口を外し、少し恥ずかしそうに答えた。

凛『お前が俺のケツに噛みついたと思ったら急にいなくなって、そしたらお前急に水中から素っ裸で俺を肩車してきて…』
怜『!?』
凛『そのまま気絶したから、プールサイドまで連れてきたんだが、そ、その…なんだ。ち、ちんぽがずっと立ちっぱなしだったから鎮めてやろうって思って///』

この人は何を言っているんだと思ったが、悪い気はしなかった。

怜『あ、あのまだ鎮まりそうにないので、もう少しお願いしてもいいですか?///』

コクッ

静かに頷くと、再びちんぽをしゃぶり出した。あんなにプライドの高い凛さんが僕のちんぽをしゃぶってる。こんなの僕のデータにない。ああ気持ちいい。頭が真っ白になる。

ドプッ

あ、、と変な声だけ出てしまい、咽せる凛。
ゲホゲホいってる。

凛『お、お前なあ。出すときは言えよ!ゲホッ』
怜『す、すみません。とてもお上手で気持ちよかったので、つい』
凛『そ、そうか…//それはよかった…』

変な沈黙が流れる。
ちょっと気まずい。
すると凛が口を開き話し始めた。

凛『俺、昔このプールで怜に似た歳上のお兄さんに泳ぎを教えて貰ったことがあるんだよ。そのお兄さんのお陰で苦手だった泳ぎ克服出来て水泳得意になったんだよなあ。』

怜『え』

凛さんそれって…と喉まで出かけたが、気絶してた間の夢だったかもしれないので、言うのをやめた。

凛『だからさ、お前の上手くなりたいっていう気持ちもわかるんだよ。下手でも下手なりに頑張れば上手くなることも俺が証明してるし。なんか力になってやりたいと思ってよ。それに…』
怜『それに?』
凛『いや…何でもねえ!とにかく、今日で泳ぎの指導は終わり!お前上手くなってたし、結構早くてびっくりしたぞ!その調子で、ハルたちと気持ちよく泳いでこいよ。』

怜『はい!』

凛が何を言おうとしたが何となく分かったけど、心にしまっておくべきことだなと、あえて何も言わなかった。

凛は恥ずかしそうにしながら、そのままプールサイドをあとにした。

怜『ふふ。結局、僕が自身が頑張ってなかったらダメだったってことですね。何が起こるか分からないですね、水泳って。』


全部見えました。
僕は僕の為に頑張ります。


プールサイドには、丸まった怜の水着が置いてあった。

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