めいん

□いざ、参らん
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運命の糸はゆっくりと解れ、それは突然露わになる。


会津出身の高木咲は、父と共に春の京都旅行にきていた。
天気は良好。気温もちょうど良く、風に揺れる桜の花は、それはそれは美麗に空へと散らせていた。


「わぁ!!凄い!!清水寺から見る京都ってなんて美しいの!」


咲は目を溢れんばかりに輝かせ、桜で埋め尽くされた京都をうっとりと見つめていた。
息を切らしながらフラフラとやってきては、それを恨めしそうな目で見るのが咲の父である。


「・・・咲、ゼェハァ・・・単独行動は、アレほどよしてくれと、京都に行くまえに、言ったのに・・・ゼェハァ・・・、なぜお前はっ・・・守れないんだ・・・、・・・父さん、もう疲れた・・・」


高木和俊。
咲のよき父親。
今日は、久々に休暇がとれたのでのんびりとした旅行をしようと計画をたてていた。
が、咲の横暴な行動に父親が頭の中で計画をたてていた旅行とはかけ離れたものになり、老化し始めている体は最早悲鳴をあげている。


咲はそんな父をよそに、清水寺から見える京の都に、感嘆の息を吐くのであった。
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