Short story

□星の輝きよりも・・・
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少し歩くとお洒落な家につく。

彼のイメージからは想像しにくい、木の温もりを感じるやさしい部屋。
ミラも何度か入ったことはあるが、やはりいつ来ても落ち着く。
大好きな彼の匂いがする。


『やっぱりこのソファに座るのがいちばん落ち着くわ♪』

「まだ聞いてねえぞ、さっきの話」

『………………』

「まあ、いいたくねーなら詮索はしねーけどよ」

『何にもないのよ、ほんと。
ただ……さみしくなっただけ』

「……?」

『最近、ジュビアやグレイを見てて思ったの。』

ミラは淡々と話しはじめる。


『二人とも別チームで仕事して……グレ
イがなかなか帰ってこないときのジュビアの悲しそうな顔。それでもグレイが帰って来たときはすごく嬉しそうな顔するの。
そのジュビアを突き放すんだけど優しいグレイの顔……
それでね、やっぱり好きな彼がなかなか帰って来ないのはさみしいなって……』


「ミラ……」


自分も長期クエストにいく際はなに食わぬ顔して出掛ける。
いつもニコニコして見送る元S級魔導士である彼女は当然わかっているものだと思っていた。

そんな彼女がこんな気持ちで待っていたとは、ラクサス自身何も言葉が浮かばない。

ただ気づけば彼女を思い切り抱きしめていた。


「お前、そういう事は早く言え」

『そうね、ごめんなさい……』

「お前は大丈夫だと思い込んでた俺も悪いな。」

『ふふw罰として今夜はずっとこうしてて』

「……あぁ」



そして彼女はそっと彼にキスをした。
彼もそれに答えるように更に深いキスをする。

かれの力強い腕に抱かれた彼女はこれからの不安など微塵も感じないくらい安心した顔で彼の背中にそっと腕をまわす。




そのまま夜は更けていく……

夜空にはふたりを見守るように満天の星が輝いている。


『好きよ……ラクサス』


少し照れながら微笑む彼女の笑顔は、星の輝きよりも眩しく光る。
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