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学校でアイツの席は、窓側の一番後ろの席である。
オレの席は同じく、窓側の後ろから二番目の席であり、プリントの回収などで時々一言、二言ほど話す。
抜き打ちで行われたテストの回収で、アイツがオレのプリントを手にした瞬間、アイツの肩が小さく震えた。
…絶対にアイツ、笑いを堪えてるぞ。

「…ありがとうございます」

笑いを堪えながらそう、上っ面の礼を口にするアイツ。
相変わらず学校と、オレの家での喋り方が違いすぎる。





家に帰宅すると、やはりアイツがいた。

母さんに「今日も来てるわよー、本当仲良しなのね!」と言われたが、それは誤解だ。
アイツが一方的にオレの家に来ているだけで、オレが許可したことは一度たりともない。
それにどう考えても、アイツはオレを都合の良いパシりぐらいにしか思っていない。

「おい!今日はガリ◯リ君な」

…ほらな。どうも最近は安い、お手頃なアイスが好きらしい。

アイツは顔に似合わず安物好きだ。


この前、五円チョコを食べて感動していた。
今まで一粒千円するようなチョコレート、――いや、あえてショコラと呼ばせて頂こう。だって高い――しか食べたことがなかったらしい。

…五円チョコが二百個食える…。




「そういや、アイス溶かすなよ」

なら、お前が買ってこい!と鞄を投げつけたのだが、難なくキャッチされてしまった。くそう…!

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