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必死こいて、オレがアイスを買ってくるとアイツは満足いったように笑った。
ドライアイスを入れていたのが、アイツ的に気に入ったらしい。ツボがよくわからない。
レジ袋の中から、ガリ◯リ君を取り出すと袋を破った。
食べ終わると、アイツは手招きのジェスチャーをした。
これは「勉強見てやるから教科書出せ」というサインである。
この為にアイスを買ってきたといっても過言ではない。
それを餌にされているような気もするが、それぐらいオレの点数はヤバイのだ。
赤点は、とりたくない…!
「…これはこの公式を当てはめて…」
「なるほど…!」
アイツの教え方は上手い。
将来先生になればいいのにと思うぐらいには、…ただ。
「ここは?」
「…ここはさっき何度も説明しただろ…!お前の頭は鳥か?あぁ?」
…怖い。一度目は普通に教えてくれるのだが、二度目は違う。
まるで鬼。(般若は女性らしいから違う)
スパルタなのだ。見た目は外人スタイルだから、なんか余計怖い。
「取り敢えず今日中にこのワークを終わらせろ」
そして、無茶ぶりがすごい。
アイツのお陰(…というのは何だか癪なので、オレの頑張りが九、アイツのお陰が一という割合である)
でなんとか赤点は逃れることが出来た。
一応一言ぐらいは礼を言っておこうと思ったのだが、鼻で笑われた。
曰く、「俺にあれだけ時間を使わせといて赤点な訳がない」らしい。
なんとも、俺様ナルシスト具合がよくわかる一言である。