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□風紀委員会、日常
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「あ"ぁ!美化委員のクソどもが!」


金髪を掻き毟りそう叫んだのは風紀委員のトップ、風紀委員長である。
風紀委員長である彼は、目の前で顔を腫らしている風紀委員の襟を掴み、腹を蹴飛ばした。

「てめぇらもそうだ!何美化委員にいいようにやられてんだ、あぁ?その体は飾りか?おい、何か言ってみろよ」
痛みに蹲る風紀委員の髪を掴みながらそう言う。
風紀委員は嗚咽や涙が溢れ出るせいで、ロクに言葉を喋ることが出来ないでいた。
そんな彼に風紀委員長は舌打ちし「…何か言うことあるだろ?なぁ…?」と態とらしく優しげな声を出した。

「…っ、ずび、まぜん、ひっ…でじ、だ」
嗚咽混じりの声で地面に頭をつける風紀委員に、風紀委員長は満足気に目を細めた。
不機嫌から一転、機嫌良さげに変わった風紀委員長に一抹の希望を見出す風紀委員。
彼はどうしても気紛れな男の機嫌を損ねるわけにはいかなかった。



「そうかそうか」
風紀委員長は笑いながら一枚の紙を手から離す。
ひらひらと紙が地面に頭をつけたままの風紀委員の頭に落ちた。
風紀委員の目が見開かれる。


風紀委員長は興味を失ったのか、それを見る事なく部屋からいなくなった。


残された風紀委員は、その紙を蒼白な顔で見つめていた。

ーーー風紀委員の解雇

それは彼が一番恐れていた事だった。





「元」風紀委員はのろのろと立ち上がり、この学園を去る準備を始めた…。

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