ショート・ストーリー
□ショート・ストーリー
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傷つく(赤黛)
わかっていたことだった。互いに互いを利用していただけの間柄。利用価値がなくなれば、あっけなく捨てまた捨てられる。時々行う行為も、ただ己の欲を何のあとくされなく発散するためだったのだ。
ああ、けれど。
何の感情のこもってない瞳。ただ、勝利だけを見据え、それ以外は見向きもしない傲慢な帝王の瞳。
その瞳を見て、ちくりと胸の奥が痛んだ気がしたのだ。
016/5/16
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