ショート・ストーリー

□ショート・ストーリー
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想う(人物指定なしでの独白)



 気づいたら眼で彼を追っていた。バスケに夢中になっている彼は今まで見たどの宝石よりも、どの景色よりもきれいに思えた。
 無邪気に笑いかけてくる彼を見るたびに、切なくなるほどの想いが込みあがってくる。
 きっと彼は知らないのだろう。無邪気に笑いかけてくるたびに、話しかけてくるたびに、触れ合うその瞬間にどうしようもないほどの生々しい欲望が渦巻くのを。
 何も知らない君の笑顔を見るたびに腹立たしくて、でもそれ以上にその笑顔をもっと見ていたいと思うのだ。

 ああ、今日も君の笑顔は泣きたくなるほどに愛おしい。



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 誰が誰に向けてかはお任せします。



016/6/7
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