白銀の世界

□はじめまして〔2〕
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未来から帰ってきてようやく平穏が訪れたと安堵した。
そのあと炎真達が来てなんか過去の亡霊と戦って。
それでも、ようやく平穏になったと思った。
いつもどうり、獄寺君と山本と一緒に帰っていって、そしたら……


「知らないところに…」

しかもなんか宇宙人もいるし。



「ツナ?大丈夫アルカ?」

神楽が心配そうに声をかけてきた。
ぼーと、若干現実逃避をしていた綱吉はそれにはっ、と気を持ち直した。

「神楽ちゃん」

「んー?」

「さっき何の女王って言った?」

「歌舞伎町アル」

歌舞伎町。
聞いたことない町だ。
しかも窓から見える宇宙人も、綱吉は生まれてこのかた見たこともない。
つまり、いや、でも。

「ありえねー!!」

「ツ、ツナ君?」

いきなり絶叫した綱吉を新八は何事かと声をかけた。

「やっぱり銀ちゃんツナに何かしたアルカ!?」

「いやいや、誓って何もしてないから!だから神楽ちゃん一先ずその拳をおさめて!!」

「あ、あの…」

一先ず絶叫したことにより気が落ち着いたのか、綱吉はおずおずと三人に聞いた。

「並盛って、知ってます?」

「並盛?しらねぇなあ」

「やっぱり…」

未来にも行ったのだからあり得ないことではない。
つまり、ここは。

「異世界…」

「は?」

「あの…、途方もない話しですけど…聞いてもらえますか?」

真剣な綱吉の表情に三人は顔を見合せ、頷いた。


「多分、俺はこことは違う世界…異世界から来たんだと思います」

もといた世界では宇宙人はいないし、歌舞伎町もない。
ましてや、和服を来て町中を闊歩している人はこんなにもいない。

ありえない。
けれどありえなくもない。
なんせ綱吉は一度未来に言ったのだ。
だから異世界にも行けたのかもしれない。

「信じて、もらえませんよね」

「ツナ」

ゆらりと神楽は近づいた。
そして、

「すごいアル!!」

「へ?」

神楽は目を輝かせて言った。
その様子から綱吉の言葉を信じていると思わせた。

「まぁ、嘘ついてるようには見えないよね」

新八も苦笑しながらだが、信じているらしく。
途方もない話を信じた二人に綱吉は数回瞬きをした。
どうしてこうも簡単に信じられるのだろうか。

「異世界…ねぇ…」

ただ、銀時だけは反応が違った。
じぃ、と綱吉を見つめ眉間に皺をよせて考える素振り見せた。

「まさか…なぁ…」

「あの…」

「まぁ、何にせよ」

がしがしと銀時は綱吉の頭を乱暴に撫でた。
 
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