白銀の世界

□宇宙人=天人
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話も一段落つき、桂はもしかしたら来ているかもしれない綱吉達の仲間の捜索の為、万屋事を後にした。
残るのは綱吉、山本、獄寺に神楽、新八の五人だ。
定春もあわせれば五人と一匹。
そして、その定春はどうしているかと言えば。

「クゥ〜」

非常に困っていた。
話も一段落つき、万屋事で寝泊まりする事が決まれば少しは気が楽になって。
獄寺も山本もあらためて周りを見ていたのだ。
そして見つけた。
でかい犬を。
このでかさ、まさしく…

「UMA!」

目を無邪気に輝かせながら喜びに満ちた声を獄寺は弾ませた。

「ゆーま?何アルカ?それ」

「未確認動物…つまり宇宙人の事だよ」

「獄寺はUMAが大好きなのなー」

定春のふわふわとした毛に手を埋め、年相応はたまた幼い子どものような歓声をあげる獄寺。

「そういや、外にもUMAがたくさんいたな…!ここはUMAの宝庫なのか!?」

嬉しそうにはしゃぐ獄寺。
その獄寺をやはり嬉しそうにニコニコと笑いながら見つめる山本。

「嬉しそうだね、山本」

「ん?まぁな。だって獄寺があんな風に笑ってるとこあんま見ないからさぁ」

だから滅多に見られない獄寺の無邪気な笑顔を見れて、嬉しいのだ。

「そっか」

山本らしい物言いに綱吉もつられて笑った。

「あんなので喜ぶなんて、隼人はお子さまアルな」

「んだと!?」

「神楽ちゃん!」

はしゃぐ獄寺の背中に神楽は容赦ない一言を投げつけた。

「だって天人なんて生まれた時からずっと見てるネ。いまさら感慨深くだなんてできないアルヨ」

「あまんと?」

初めて聞く単語に綱吉達三人は首を傾げた。

「獄寺さんがUMAと呼んでいるもの達の事です。地球外に住んでいる種族でその種族達を総じて、天人と言うんです」

どこから取り出したのかメモ帳にシャーペンでそれらをメモをとる獄寺。
UMAのことになると真剣さが増すように見えるのは気のせいか。

「ちなみに私も天人アルヨ」

「え!?」

どこからどう見ても人間に見える神楽。
そんな神楽も天人と言うのか。

「宇宙最強傭兵部族、夜兎。それが神楽ちゃんの種族なんです」

宇宙最強。

「はは。なんか雲雀が聞いたら喜びそうだな!」

きっと喜び勇み、神楽に戦いをしかけるだろう。
強ければ老若男女関係なく戦うのが雲雀が雲雀たる所以だ。

「他にどんなやつらがいるんだ?」

いつの間にかけていた眼鏡がキラリと輝く。
眼鏡をかけたことにより、獄寺は知的に見えた。
実際、頭はいいのだが。
 
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