華麗なる腐女子日記
□誠凛3
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こんにちは皆さん。秀徳バスケ部マネージャーの小野原悠伽です。え、なんかいつになく真面目だなって?バカ野郎。私だって真面目になるときぐらいあるわ。一年に一回あるかないかだけどね!!
「う〜む…」
「どしたー小野原。なんか豚みたいな顔してるけど」
試合中の記録を見ながら唸る私の頭に肘を起きながら訊いてくる宮先輩。
「豚って美味しいですよね」
「カツにあうよな」
「カツに添えるサラダにはぜひうちを贔屓にしてくれ」
「…なんの話なんだ?」
私と宮先輩と村先輩の会話を聞いて、首を傾げる大先輩。…正直私もなにを思ったのか忘れかけていた。
和ちゃんが後ろにパスを出す。すでに真ちゃんがスリーの構えをしていて、手にボールが収まった。高い起動を描きながらゴールに落ちるボール。
…、ああそうだ。
「二人のあのシュートは入るけど、普通のスリーだとことごとく火神君にブロックされるんですよねー」
真ちゃんの武器はスリー。対して火神君の武器は跳躍力。相性が悪すぎなのだ。
先輩達と谷先生が私をじっと見つめた。
「?なんですか?私、今月は五円しかないからお金は渡せないですよ?」
そして欲を言えば大先輩と宮先輩は互いを見つめあって欲しい。
「いや、そんな悲しい情報はいらねぇよ。ただ…」
「「「「真面目に仕事、できるんだなぁ」」」」
見事にハモってくれた先生と先輩達。以心伝心だね!
「て、失礼な!」
「いや、褒めてるんだよ」
「え、いや〜。それほどでも」
「切り替えはやっ」
谷先生に言われ、照れれば村先輩が驚いたように言った。
そしてここで休憩が入った。
「……あ」
「んあ?なんか気づいたのか?」
私が声をあげると宮先輩が気になったように、私の視線を辿る。そして、そこには。
「今すぐあっちに行きたい!!」
疲れた様子の黒子君に火神君が甲斐甲斐しくスポーツ飲料などを飲ませている光景があった。
「お前はやっぱそれか!」
「ふげぶ!」
大先輩が真ちゃんのラッキーアイテムである木刀で私の脳天を叩いた。
「あー、先輩ダメっすよー。悠ちゃんは真面目になってもそれは五分も続かないんすから」
「もうちょっと頑張れよ!!」
「失礼な!第2Qはちゃんと真面目にやってたよ!」
「何!?10分も真面目に集中したのか!?」
真ちゃんが驚いたように言った。私はドヤ顔し、胸を張る。そんな私の頭を真ちゃんが撫でてくれた。
「成長したのだな。褒めてやるのだよ」
「私、偉い?」
「ああ。人事を尽くしたのだよ」
「今日は赤飯だな!」
和ちゃんが嬉しそうに言った。やったね、赤飯だよ。
「お前らマジ、なんなの?」
宮先輩の言葉と同時に休憩が終わった。
そして、試合は結論から言ってしまえば、ウィンターカップ同様引き分けだった。
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