大江戸恋絵巻

□大江戸恋絵巻
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そうだ…



ここは私が知ってる時代とは違う




牢屋に入れられて




死ぬまで出してもらえないかもしれない






「どちらか好きな方を選べ」





私が元の世界に帰るには




答えは一つしかない――…







『やります…家光様の影武者』





そう言い切れば


春日局様は満足そうに口元を上げる





「良い返事だ。貴方は今をもってこの江戸城の将軍、家光様だ」




春日局様はすっと立ち上がると



私を見下ろす





「まずは…そのふしだらな身なりを整えてもらう」


『ふ、ふしだら!?』



唐突な言葉に狼狽えながらも布団を胸元まで引っ張れば




「――稲葉」




春日局様は襖に向かって声をかけた





『…え?B'○の?』



江戸時代の人には分からないツッコミをしていると



襖を開けて入って来たのは



ウルトラソウルのようなパワフルは人とは正反対な男の人





「これから身の回りのお世話をさせて頂きます。稲葉と呼んで下さい」




穏やかな雰囲気に



こっちまで心が和らぐ





『小姫です。よ、宜しくお願いします』




頭を下げると


優しい眼差しで微笑まれる




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