Buche de Noel(main)

□知っていこう
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違和感を感じ始めたのは、いつだったか。
周りと違う、比べる、諦めるの繰返し。
その思考にはまってしまえば最後、脳内は全て埋め尽くされる。
そもそも足りないモノってなんだろう?そこまで戻って、考える事を放棄した。
結局答えは同じ。『欠けている』。そこで止まってしまうのだから。

「邪魔だ。失せろ」
「ご挨拶だねぇ…わざわざ遊びにきてあげたのに」
「望んだ覚えはない」
「可愛げないシャドウ」

悲しい表情をしたら、あからさまに嫌そうな顔をされた。
ボクの事、本当に苦手らしい。

「そうだ。ここに着くまでにね、GUNの兵士達に会ったよ。ボクをシャドウと間違ったみたいで、声を掛けられたんだ」
「…だろうな。皮肉だが」
「まあそう言わずに聞いてよ」
「………」

シャドウはデスクに置いてある書類に視線を落とした。
どうやら聞いてはくれるらしい。

「いきなり敬礼なんかされてさ、全員堅っくるしい顔してたよ。で、通った後のヒソヒソ話。『壊れる事のないGUNの兵器』、『アイツの下で働くのだけは勘弁』だってさ。キミ、中々面白い人生送ってるみたいだね」

書類を捲る音は乱れない。ただ一定に、赤い眼が文字の列を追っていく。
時折ペンを走らせて。
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