Buche de Noel(main)

□平穏無事
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冬の朝は寒い。空気も氷のように冷たくて、吸い込むのすら憶測だ。

「Hey,シャドウじゃないか!」
「…ソニックか」

徹夜だったミッションからの帰り道。
幸か不幸か、青い風と鉢合わせた。
僕が武器だけという軽装備なのに対して、ソニックはもこもこのマフラーに、毛糸使用の手袋という重装備だ。
この季節だけは己の体は役に立つな、と彼を見ながら考えていると、ソニックは不機嫌そうな表情になる。

「シャドウ、お前声に出してるぞ」
「…毛は重宝するものだな」
「どーせオレは薄いですよ!」

青が悔しそうに睨む。痛くも痒くもないが。

「いいよな、ふわふわの体毛があるシャドウは」
「なら貴様も付けるといい」
「No way!恥さらしはごめんだぜ!」
「夏の時と立場が真逆だな。笑える」
「真顔で笑えるとか言うなよシャドウ。この季節だけはこの通気性が恨めしい」

はぁ、と吐いた息が凍る。空は晴天。
僅かに降った雪も今日一日で溶けてしまうだろう。

「今日はもう仕事終わったのか?」
「ああ」
「ならさ、」
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