〜Do you know...?〜

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『おはよー』




寝起きの気だるげな体をなんとか動かしリビングにある朝食の元へたどり着く


『ねみ〜』


「ちょっと、しっかりご飯食べて気合い入れなさい!」



この元気な声の持ち主は俺のお母さん。俺が小さいときに離婚して今まで女手1つでここまで育ててくれた凄いひと
今ではバリバリのキャリアウーマンだ
それにしても朝から元気だなぁ



「全く今日から秀徳高校に入学するんだからピシッとしなさい!」























『は』


今なんかよくわからないことを口ずさまなかった?このmy mother?!


『ちょ、良く聞こえなかったからも一回言って……?!』








「?だから今日から秀徳高校に入学するんだからピシッとしなさい」

聞き間違いじゃなかった……!え、ちょっと待て餅つkじゃない落ち着こう。どーゆーこと?!

『え、あ。だっから、えっ、んん??』



『(秀徳って黒子のバスケ…?!)』


秀徳っつたらそれ以外考えらんないんだけど!?

いきなりの状況に1人テンパる千歳 と、その時



プルルルル!


ガチャっ



「はい、もしもし黒田です。あっ穂香ちゃん?うん、ちょっと待ってね。」


「千歳、穂香ちゃんから。なんか切羽詰まってたみたいよ?」


『ほのが?』



普段からおちゃらけてるアイツがそんなに焦るなんてよっぽどの事があったんじゃないのか…?
若干失礼な事を言ってる気がするのは気のせいだ!


『もしもs「ちょ、ちーちゃん聞いてよ!!!!」るっせ!』


予測していなかった大音量にキーンと耳鳴りが鳴る



「秀徳を制服で入学にウチが男子で今日からだよ!」

「日本語をしゃべれ!つかいつも考えまとまってから話せっつってんだろーが!!!」


この訳のわからない言葉を話すのは俺の幼なじみの穂香
頭のネジは何本かイカれてるけどイイヤツだ…と思う。

『ったく!はい、穂香深呼吸。ゆっくり吸って、吐いて…』


冷静に穂香をなだめる姿は随分と手慣れた物だ
千歳の声にあわせて深く深呼吸する穂香



『…で?』

何回か繰り返させてから落ち着いたのを確認し改めて質問する



「えと、ウチが今日から秀徳に入学することになっててなぜか制服が男子用なんだけど!!」



『あー、秀徳に入学するのは俺もだから百歩譲ってスルーしよう。でも何で男子用?お前一応女だよな?』



「ちょ、一応ってひどくないちーちゃん!?つかちーちゃんも秀徳なの?!」


『あぁ、おかしなことにな。』


「マジか じゃあさ、ちーちゃんも男子用の学ランなんじゃね?」

若干の笑いを含みながらいきなりわけのわからんことを言い出す穂香

『は?何を根拠にそんなこと』

「だってウチとちーちゃんって昔から通じる物があったじゃん?」


『アホか……ま、そうだけどそれと制服は関係ないだろ』


「まぁいいからいいから!取り敢えず迎えにいくからさ、その時ちーちゃんが学ラン着てたらウチの勝ちってことで!!」


『いつから勝負になったんだよ』


「気にしない気にしない!じゃ、またあとでね〜」

ガチャ


『(ったく相変わらずうるせぇやつだな…、まぁでも)』

原因がどうであれ穂香とこれからも一緒に学校行けるようになって良かったな……


なんて、アイツに言ったら調子に乗るから絶対ぇ言ってやんねぇ


そんなことをふと思いさっきの白藤の話を思い出す


『お母さん俺の制服ドコ?』

受話器を置き台所に立つ母に声をかける


「あっちの部屋のクローゼットの中に入ってるわよ〜」


『いぇっさー』






ガチャ





………………………パタン






『お母さんこれ何で俺の制服学ランなの?!』


一回フリーズしてからお約束の展開に声を荒げる


「あら、安い方選んだら間違って男子用買っちゃたって言ったじゃない」

悪びれもなく凄いことをいい放つ母。が、しかしすぐにとんでもなくあり得ないことを言った


「なんか今日おかしいわよ?まさか」
















「母さん明後日から海外に出張に行くことまで忘れてないでしょうね??」




















『えええぇぇぇぇぇええぇぇぇっっっ!?』

朝のうちに何回驚いたか分からない叫びが黒田家の食卓に響いた




end

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