〜Do you know...?〜

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「…」





『…』





皆さんおはこんばんちは。千歳です。只今屋上の上で高尾と二人っきりです。



屋上で二人っきりというとなんか少女漫画的展開が繰り広げられそう…


って言うのは幻想です。幻です。だって俺今めっちゃ気まずいし…!


なぜこんな状況に陥ったのかというと…




****




体育の授業が終わったあと、俺とほのは何事もなかったかのように教室へ戻った。



「やっと午前中の授業終わった〜」


『早く飯食っちゃおうぜ、腹減った…』


「そうだねー」






「なぁなぁ、黒田,白藤!」


「お前らさっきの体育なんで女子に混ざってたんだ?」





俺とほのが丁度カバンの中から弁当を出したとき、数人の男子が話しかけてきた。




「あ、すっかり言うの忘れてた」



『ああ、それには訳があってだな「ちょっとちーちゃん借りるな〜?」ちょ、高尾?!』



まだ俺らが女であるということを男子に話していなかったため、事情を説明しようとしたとき、それを遮るように高尾が俺を教室の外へと引きずりだした。






*****






と、いうことがあって今の現状に至ります。




『……』


「…ちーちゃんさぁ、」


『は、はい!』





「女の子なんだ…よね…?」



『………そうです…。』


申し訳なさそうに目線をそらして小さく肯定する千歳。


「……(おっしゃー!やっぱ俺ホモじゃなかった!いや、ちーちゃんとだったら性別とか関係ないと思ってるけどさ!世間体を考えて、ね?)」


『あ、あの〜高尾さん?怒ってらっしゃる…?』




さらに黙りこむ高尾を見て、怒っているのでは?と勘違いする穂香。

実際は怒るとは反対に内心喜んでいるのだが。



『いや、これには深い訳があってですね…!ホント騙すつもりはなかったんですよ?!それがあれよあれよと時間が過ぎていって中々言い出せなかったと言うか…!』


『あの、ホント隠しててすんませんしたあああ!!』


ガッと勢いよく土下座をする千歳。



「ちょ、ちーちゃん顔上げて?それに、俺そんなことで怒ったりしねーから。なっ?」


『いや、でも』


「大丈夫だって!そのくらいどーってことねーよ」


「それになんか訳があったんだろ?」



『…いや、実はですね…!』


******

女子に説明したと同様に高尾にも俺が男子の制服を着ている経緯を話した


「ぎゃははは!ちーちゃんのお母さん面白すぎるだろ!!」

女子の反応とは全く違うけどな。


『うるさいな…!俺の母さんはちょっとずれてんだよ。』

いや、かなりずれてるか…


「それにしてもめったにねーだろ!安い方買ったら男子の制服だったとか!」


『あり得ないことをやってのけるのが俺の母さんなんだよ…!』


「はー、笑った笑った」


『笑いすぎだっつーの』


「いや、悪ぃ悪ぃ。とりあえず腹減ったから弁当ここで食っちまおうぜ〜」


『そうだな。』

そういえば今はお昼休みだってこと忘れてたな



「『いただきます』」


「おっ!ちーちゃんのうまそーだな」


『そうか?めんどくせーから超適当に作ったんだけど。』


「作ったって…まさかこれちーちゃんの手作り?」


『そうだよ?高尾、今見た目に似合わないって思ったろ!』


「思ってねーって。ただ意外だなと」


『ぜってぇ思ってただろ、その顔は。』


「まぁまぁ気にしない気にしない!なぁ、その唐揚げもらっていい?」


『別にいいけど…味には期待すんなよ?』


「おっしゃ!じゃ遠慮なく」

俺の弁当箱の中から一つ唐揚げをつまみ、口に放り込む高尾。


「ん、うま!ちーちゃん料理上手いね、意外と。」


『意外とは余計だ!』

まったく、失礼なやつだな!


「うそうそ!でもホント美味しいよ」


『マジか。』

料理は特に得意って訳じゃないけど、美味しいって言われるとなんか恥ずいな…


『った、高尾の弁当もうまそーじゃん!』

若干の照れを隠すため、自分の弁当から意識をそらす。


「あ、俺の?」


『お母さんに作ってもらったの?』


「そ!ちーちゃんもなんか食べる?」


『いいの?』


「オレもおかずもらったし、いいよ♪」


『ん〜じゃ、なんかもらおうかな?』


「おっけー。個人的にオススメは卵焼きかな?」


『じゃ、それもらうわ。』


「いいよ。はい、アーン」

高尾が使っている箸で卵焼きを一つつまんでオレの方へ差し出す。


『っば!なんでだよ?!』


「え、ここはそーゆー流れだったしょ?」


『え、逆にいつそんな流れになった?!』


『自分で食べられるっつーの!』

「あ」

ヒョイッと高尾弁当箱の中に入っていた卵焼きを自分の箸で口へ運ぶ。

「ちぇー、けちだなぁ」


『なに俺が悪いの?!』


『ん!これうまっ…』


「だろ〜?」


そういえばほの一人で事情説明してくれてんのかな…?
と、淡い疑問を浮かべる。

『ま、いっか。』

「?」

ほのだし。なんかあったら真ちゃん辺りがフォローしてくれるでしょ。



ふんわりとした卵焼きを口の中で味わいながらふと、思った昼下がり。



End


あとがき

今さら追記ですが、体育の時間に高尾が夢主1ちゃんを見てたのは、なんで女子側の授業を受けているのかという疑問よりも、女子と仲良くしていたことに少しヤキモチを妬いていたからです。
すごい今さらだし、全然伝わりきれてないですね…スミマセン;;

というか、夢主ちゃんのキャラが固まっていないような気がする…!
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