novels.(ciel×lizzy)
□ENVY・・・
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「ENVY・・・」
※シエル視点です。グレリジの小説「Jelous」がもとです。
R-15程度のゆるい表現ありです。
「坊ちゃん、いかがなさいました?」
まるでなにもかもお見通し、とでもいうような血の色の瞳で僕の顔をじっと覗き込むセバスチャン。
「何が言いたい?」
「いいえ。あの夜会以来、なんだか毎日ひどく落ち込んでおられるようですので・・・」
「・・・落ち込んでなどいない。心配無用だ」
「そうですか。では―」
ドサッ!!!
「うっわ!なんだこの書類の山はっ!!」
セバスチャンはニコニコしながら、書類をテーブルの上に綺麗に並べ直している。
「落ち込んでいないのであれば、お仕事の方を真面目にやっていただかなくてはね」
「お、お前が―・・・」
「だめです、お一人で今日中に仕上げて下さい。私はあくまで執事ですから、執事には別の仕事がたくさんあるのでこれで―」
「こ・・・いつ・・・」
「後でイライラを沈める作用のあるカモミールティーでもお持ちしますので」
「おいっ!だからこれは―・・・」
バッタン・・・
くっ・・・あの性悪悪魔め。
まぁいい、確かにあの夜会以来僕はかなり腑抜け状態になっていた。仕事も手につかないくらいに・・・。
その原因は―
ガタンッ
僕は椅子から立ち上がり窓をそっと開けた。
窓―・・・あの夜会の夜、外から見た・・・あの女王執事武官の男とリジーが―
「・・・・っ」
抱き合って・・・キスしているのをこの瞳ではっきりと・・・
「なぜ・・・あの男と―」
はっきりと・・・見てしまった―。
「・・・くそっ」
仕事など手に付くわけがない・・・。
「リジー・・・」
胸の中がひどくざわめく。これは・・・紛れもない「嫉妬」。
はっきりと認めざるを得ない。
僕はまだ、リジーのあんな甘い表情を知らない・・・あの男の胸で・・・リジーはあの夜―・・・