novels.(ciel×lizzy)
□止められない想い
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「止められない想い」
※シエル視点。
「坊っちゃん、レディエリザベスがお見えになりましたよ」
「ああ、通せ」
僕の執事、セバスチャンは何もかもお見通しとでもいうかのように僕を見てフッと笑うと部屋から出ていった。
リジーをまた呼んだのは、僕のマナーハウスで二人っきりで話がしたいから・・・もう・・・あの男の所に行かせたくはないからだ。
「シエル・・・」
また、遠慮がちに入ってくるリジー。
「これから、ロンドンにある僕のマナーハウスに行く。二人っきりでゆっくり話がしたい」
「え・・・でも―」
「何か用でも?」
「う、ううん」
「馬車はもう用意してある。行くぞ」
リジーの瞳が僕を見つめる。
その瞳を今夜・・・僕の方に向けさせてやる。
相変わらず、首がすっぽり隠れたドレス・・・
その肌には、あの男のアトがたくさん刻まれているのだろう?
「いってらっしゃいませ」
「セバスチャン、あとは頼んだぞ」
「イエス、マイロード・・・」
まるでなにもかも見透かしたかのように小さく笑う。まったくどこまでも性悪な悪魔だな。
ガタン、ガタン・・・
馬車に揺れながら、リジーは一言もしゃべらずに、馬車の外を見ている・・・。
「―」
あの男のことを考えているのだろうか。
そう考えると、無性に胸がざわめく。
「リジー・・・」
「え・・・なに?」
「こっちを向け」
僕は少し強引にリジーを引き寄せた。
そして、その唇にキスをする。
「ん・・・っ」