リクエスト

□本当に好きなのは・・・
1ページ/2ページ

    「本当に好きなのは・・・」

    ※リジー視点です。


「美味いな、やはり執事の淹れる紅茶は」

お兄様が満足気にそう言う。

「恐れ入ります」

「いやら執事、ほめてやろう」

お母様も満足そう。お父様も大喜び。

でも、私は―

「リジー、リジー」

「え・・・」

シエルの声。

「どうした?元気がないぞ」

「なにっ!リジー・・・まさかまた熱でも・・・」

「ないわよ、もう、お兄様は!」

そんなんじゃないのよ。私が考えているのはこれから会うチャールズのこと。 

こんなこと考えたくないけれど、このお茶会が早く終わらないとチャールズに会いに行けない。

「・・・・」

私が俯いていると、大きな手がスッと伸びてきた。そして、私の額に触れる。

「熱はないようだが・・・」

シエルの手。

「大丈夫か?リジー」

「ええ・・・」

そう言いながらも頭ではチャールズのことを考えてる。

早く会いたいわ。早くこのお茶会が終わらないかしら・・・。

「リジー、少し庭を歩かないか?」

「え・・・?」

私はシエルの方を見る。

「いや・・・昔みたいに、いろいろ話しながら・・・だな、その―」

「・・・・」

私はまったく上の空・・・

チャールズ、もう待ち合わせ場所に来ている頃かしら?

「いいじゃないですかレディ。坊ちゃんとこの素敵な庭を歩かれては」

「だ・・・だったら俺も―」

「エドワード!お前はいいんだ!」

「・・・はい」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ