リクエスト
□Holiday
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「Holiday」
シオンは今日、執事武官の仕事がようやく休みが取れたので、親友のロベルティナと街に買い物に出かけていた。
「ああ、久しぶり!こうして街に出るなんて。最近休みなかったから・・・」
「そうなの?大変ね。女王様の執事武官のお仕事も」
「分かってくれる?ロベルティナ」
「そりゃぁ、もう!大事な親友のシオンですもの!」
「フフ、ありがとう」
「さぁ、せっかくのお休みなんだし、ショッピングでもしない?それから美味しいコーヒーでも飲んで・・・」
「そうね!そうしましょう」
シオンとロベルティナ・・・・二人は昔からの大の親友で、シオンは彼女をとても信頼していた。
「そうだ!二ナの所で服を仕立ててもらってるんだ。付き合ってくれる?」
「ああ、二ナってあの腕のいい仕立て屋?」
「そうよ。仲がいいの」
「いいわよ」
カランカラン・・・
「あら、いらっしゃぁい、シオン。そちらは・・・」
「ああ、友人のロベルティナよ。二ナ」
「ロベルティナです、初めまして」
「まぁ!カワイイ!どう?ドレスでも作らない?最高のドレスを仕立てて差し上げてよ」
「え・・・今はいいです」
「そう、残念」
「そうそう、二ナ、この間の服は仕上がった?」
「ええ!ばっちりですわ、シオンにピッタリの服が仕上がりましてよ」
「ありがとう」
それは真っ白な燕尾服だった。
「うん、いいデザインだわ!さすがは二ナね!」
「お褒めの言葉ありがたく頂戴しますわ!シオン」
二ナは燕尾服を丁寧に袋に詰めながら、ロベルティナの方をじっと見つめた。
「な・・・なんでしょう?」
「もしドレスでも仕立てることがあったらぜひ私の所に来てくださいね♡」
パチンとウィンクする二ナ。ロベルティナは微苦笑しながら軽く頭を下げた。
「行きましょうか、ロベルティナ」
「ええ」
「待っていますわ〜」
ぶんぶんと大きく手を振る二ナをチラッと見てロベルティナは再び頭を下げる。
・・・ちょっと風変わりな仕立て屋ね、と思いながら。