Treasure
□この時のために(小説)
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私の待ちわびた、とても楽しみにしていた日。
だってあの人に会えるから!
「さぁ、お嬢様!起きてください。
今日はお約束の日ですよ!
もう約束の時間まで一時間きりましたよ!」
ポーラは主の肩を揺さぶる。
「んー。ポーラー…まだー…
え、えぇ!?なっ何時!?」
ポーラの言葉を理解するまでに時間がかかった。
約束は11時。
ポーラの言葉が正しければもう10時を過ぎている。
「嘘ですよー!余程今日のグレイ伯爵とのお約束が楽しみだったんですね!」
ごめんなさい。お嬢様!でも可愛いです!
なんて花が咲くような笑顔を浮かべているポーラ。
「っーーー!もう!朝から変な嘘やめてよね!
許してあげるけどそのかわり!
今日は飛びっきり可愛くしてよね!!」
むーっ!っと頬を膨らませた
お嬢様ことエリザベスは
いつもならもっと怒る
ポーラのいたずらも許せるほど
今日は機嫌が良かった。