Treasure

□その想いに気付くとき(小説)
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長い冬も終わりに近づき

暖かい日差しが差す今日この頃



「「(何故か私/俺達は同じ空の下を歩いていた…)」」









事の発端はグレイとリジーによるものである



「ねぇポーラ! お出掛けしましょう?」



リジーがいきなりメイドのポーラに提案した



「えっ、お出掛けですか?」



「えぇ、チャールズもフィップスも一緒にダブルデートするの!」



「だ、ダブルデート!?」



ポーラは顔を赤くして驚きの声を上げた



「私、一度ダブルデートって言うのをしてみたかったの!
でももう一組のカップルが居ないからチャールズに相談したらポーラとフィップスにして貰えば良いって!」



「そ、そそんなっ 私、デートなんて…!」



狼狽えるポーラにリジーは話を進めて行く



「もう待ち合わせまで時間がないから行きましょ」



リジーはそう言ってポーラの手を引く



「お、お嬢様ぁ〜!?」








一方…



「は? ダブルデート?」



フィップスはグレイに聞き返す



「うん、リジーがしたいって言うからさ
あ、ボクがもうフィップスの有給取っておいたから」



「は?」



話が理解出来ないまま、グレイは説明する



「もう一組カップルが居ないんだよ、だからフィップスとリジーのメイドの… 何ていったかな?」



「ポーラか?」



「あ、そうそう そのメイドとフィップスがもう一組のカップルになって…」



「ちょっと待て、何で俺がお前達の為にそのよくわからんダブルデートとやらに付き合わないといけないんだ?」



「だってリジーがしたいって言うんだもん」



「お前はアレか、エリザベス嬢がそうしろと言えば人の予定も聞かずに巻き込んで良いと思ってるのか?」



「どうせ予定なんてないんでしょ?」



しれっとグレイがフィップスに聞く



「…いや、予定なら今出来た
グレイ狩りと言う大事な用事が…」



「ちょっと!! 狩る程ボク居ないよ!!」



レイピアをスルリと抜くフィップスにグレイは待て、と手の平を出す



「グレイ、今日の晩餐は何が良い?
肝ぞ… レバー、胸肉、ハラミ…」



「今『肝臓』って言おうとしたよな!? 『肝臓』って!!」



「大丈夫だ、俺の前世は世界征服を成し遂げた男の子孫が開いた精肉店の店主だ」



「世界征服の件要らないだろ!
そんなに怒ることないじゃん!
ちょっと休日潰してボク達に付き合ってくれれば良いだけだからさぁ」



「そんなお手軽に休日を潰されてたまるか」



「じゃあ、今度のボクの有給フィップスにあげるからさ〜」



その言葉にフィップスはレイピアを収める



「仕方ないな」



「じゃあもう時間もないし、行くよ」



「今からか!?」



「いつ行くの、今でしょ!」



「割と古いネタだな」



「う、うるさいっ!」



そんなこんなでフィップスを巻き添えにすることに成功したグレイ
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