novels.(grey×lizzy)
□Honey〜夢中にさせたい〜
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「Honey〜夢中にさせたい〜」
※5年後のグレイ×リジー。捏造、激甘注意です。グレイ視点。
「エリザベス、こっちだよ」
ボクは手招きして彼女を呼んだ。
「あ・・・」
ブロンドヘアーをフワリと靡かせて、エリザベスがボクの方に走ってくる。
「走らなくてもいいのに・・・」
息を少し乱して噴水の側のベンチに座るボクの方に走ってくる彼女を見ながら、クスクスと笑った。
「・・・グレイ伯爵・・・っ、ごめんなさい!遅くなっちゃって―」
「いいよ、気にしてないし」
「・・・・」
エリザベスの瞳が「ごめんなさい」というようにこっちを見る。
「ボクの方から誘ったんだから気にしなくていいよ。それより今日君の誕生日―」
「え、あ・・・!」
彼女はすっかり忘れているらしい・・・パチクリと瞳を瞬かせた。
「忘れてたんだ、フフッ」
「すっかり忘れてました・・・」
「アッハハ!君の17歳の誕生日でしょ、今日は。なんでボクの方がこんなによく覚えてんの?」
「〜っ///」
何も言い返せない代わりに、顔を真っ赤にして俯くエリザベス。
「―だから誘ったんだよ」
「え・・・?」
顔をスッと上げて、ボクの姿をそのキレイなエメラルドグリーンの瞳に映し出す。
「君の誕生日、お祝いしてあげようと思ってさ・・・」
「グレイ・・・伯爵」
フッと微笑したとたん・・・
「・・・・っ」
ポロリ・・・と細い雫がエリザベスの白い頬をつたった。
「え、ちょっと泣かないでよ・・・」
「だって、うれしくて・・・私―」
「・・・・」
あー・・・何年か前とおんなじ光景だな。
「はーあ・・・」
またガキどもに冷やかされるかな?チラチラッと周りを見た。ま、そんなのどーだっていいけどね・・・。
ボクは小さく溜息を吐くと、ベンチから立ち上がった。
「あ・・・」
そしてゆっくりと自分の胸に閉じ込める。
「背、伸びたね」
からかうようにそう言った。
「あ・・・当たり前ですっ///」
「ボクの胸の辺りまでしかなかったのにね」
「いつまでも子供じゃないものっ。もう、グレイ伯爵はいじわる―」
エリザベスの紡ぎかけたその言葉をキスで止める。
「ん・・・///」
苦しそうに彼女の息が上がってくる。
慣れてないんだね、まだこーいうキスには・・・。
「―っ」
ボクはそっと柔らかい髪を撫でると、名残惜しそうに唇を離した。