novels.(grey×lizzy)
□Love Sick
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「Love sick」
※リジー視点。R-18ありご注意を。
―あなたが欲しいのは・・・
清純で可憐な乙女の私?それとも悪女みたいな私・・・?どっちも私なの、だからどっちの私も見つめて・・・。
* * *
「今日はいいお天気ねー、お兄様!」
「ああ、本当に―。あっ!リジー、荷物は俺が持つから・・・重いだろう?」
も〜・・・本当に心配性なんだから。
「たった二袋しか持ってないわ」
「それでも俺が持つっ!」
「も〜・・・」
お兄様に私が持っていた袋を渡したのはいいけれど・・・
「・・・・っ」
「お兄様・・・ムリしないで」
「なんの、これぐらいっ・・・お前のためだっ!」
「・・・・」
手には二つ紙袋を抱えて、腕には六つぐらい手提げ袋を下げている・・・。
まだ買う物があるのに・・・。
「・・・・はぁ・・・」
私をとっても想ってくれるのはいいんだけれどね、お兄様―。
「リ・・・リジー・・・つ・・・つぎは何処だ?」
「次は・・・えーとぉ―」
どこのお店だっけ?たしかこの通りだったはず―・・・
「あ・・・れ?あの店にいるの・・・グレイ・・・伯爵じゃないのか・・・?」
「―え?」
私はサッとそちらを向く。
チャールズが・・・?どこ―?
「あの店って・・・どこっ?お兄様!」
お兄様にズィッと詰め寄る私。
「えっ、おい、リジー・・・落ちるって!荷物が―・・・」
「あ、ごめんなさいっ」
ついむきになってしまったわ・・・恥ずかしい。
「ほら・・・あそこの向かいのアクセサリーの店・・・」
私は2,3歩近付いた。
ショーウィンドー越しによく見えるその銀髪の―・・・。
「お兄様ッ、先に帰っていて!」
「ええっ!?」
私のその言葉がなんだかショックだったのか、お兄様の顔が一瞬青ざめた。
「だ、だってお前・・・これから買い物が終わったら一緒にお芝居を観て、食事して―」
「私あそこのアクセサリーのお店が見たいのっ!」
「あ、リジー〜」
「遅くならないうちに帰るわっ!」
何か言いたそうにしているお兄様をよそに、私は向かいのアクセサリーのお店へと走っていった。
チャールズ・・・こんな所で会えるなんてね。あの夜会から一ヶ月くらい経ったのかなぁ・・・でも長く感じられたのよ、その会えない期間がとても―。
いつのまに、あなたにこんなに夢中になっちゃったんだろう?