novels.(grey×lizzy)
□Long time ago〜出会い〜
1ページ/3ページ
「Long time ago〜出会い〜」
キィン、キィン、カキイィンッ!!
激しくぶつかり合う剣の音、うるさい周りの歓声。
キィィーンッ!!
「それまでっ!」
周りの歓声がまた大きくなる。
あーあ、うるさいなぁホント・・・。
「勝者、エリザベス・ミッドフォード!!」
審判の高らかな声にボクはイラッとした。
「・・・すごいな、あれが天才と噂されるミッドフォード侯爵のご子息か?」
フィップスが感心しながらボクにそう聞く。
「はぁ?なに言ってんのお前・・・」
ボクは感心顔のフィップスをギロッと睨みつけた。
「天才なのは娘の方だよ」
そう言ってボクは試合場の方を指差した。
ちょうど面を外している・・・。
ブロンドの巻き毛・・・ピンクのリボン―
「・・・・」
勝ったっていうのに笑顔ひとつ浮かべないで下を見ている。
「すごいな、本当に・・・」
「大したことないよ」
ボクの方が強いに決まってるだろ?
「近いうちにお前とも対戦するんじゃないか?彼女―」
「ふん、そうなったらこてんぱんにしてやるさ、生意気だからね」
そうだ、なにが「天才」だよ。女・・・しかもまだガキじゃないか、ボクの方が強いに決まってる。
今度、女王陛下主催のフェンシング大会が開催される。その中で、必ずボクが優勝してやる―。