novels.(grey×lizzy)
□LOVE SICK
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「LOVE SICK」
※R-18あり グレイ視点。
―もうこの想いは止まらないよ。
君に会うたび、強くなってく想い・・・
やばいなぁって時々思う、自分が制御できなくなりそうって・・・。
独り占めしたいよ、君を。夜会とかダンスパーティーでいろんな男が君に声をかけてくる。ボクはその男ども、殺してやりたくなる。 ねぇ、分かってこの気持ち―。
* * *
「二ナ、こんにちはっ!」
「あらぁ!レディエリザベスッ、ご機嫌麗しゅう・・・今日もなんてかわいい―」
今度の夜会のドレスを仕立てるとかで
二ナ・ホプキンスとかいう仕立て屋の店にリジーと一緒に入ったボクだけど―
いきなりその女にギロリと睨まれた。
「あ・・・あら、レディ・・・その殿方は?」
「あ・・・あのお・・・お友達よッ」
「―」
友達・・・?
ボクの胸に突き刺さるその言葉。
「女王陛下の執事武官をされている方で―」
「・・・チャールズ・グレイ、以後よろしく」
ボクはリジーに近づいてそっけなく自己紹介をした。
「あ・・・あら、そう。私てっきりレディのお付き合いしている方かと・・・」
してるんだよっ。
「あ・・・え・・・と」
「でも、レディにはちゃぁんと素敵な婚約者がおりますものね」
「あ・・・」
「伯爵もすっかり成長してしまわれて声も低くなられて・・・シクシクッ。でもレディには相変わらずお優しいんでしょう?」
「あ、ええ・・・」
―ボクの聞きたくない名前がまた出てくる・・・。 胸の中かざわめく。
「リジー、早くドレス作っちゃいなよ」
早く二人っきりになりたいんだからさ。
「あ、うん・・・二ナ、よろしくね」
「おっまかせ下さい、レディ!それにしてもあの殿方と本当に仲がよさそうですわねぇ・・・」
メガネを光らせてじーっとボクを見てくる。
よけいなことはいーんだよっ!
ボクは二ナとかいう仕立て屋をギロッと睨み返す。
「ああ、でもあと3〜4年もしたら伯爵とレディはもうご結婚かしら?」
「え・・・ええ」
いちいちイライラするなぁ、この仕立て屋。
「そうしたら、エリザベス・ファントムハイヴ伯爵夫人になられるのですねぇ〜・・・ウフフフッ。結婚式のドレスはこの私にぜひおまかせくださいませねっ!」
「う、うん・・・おねがいね」
ボクの方をチラッと見て、奥に行くリジーと二ナ。
―すごくイヤな気分・・・エリザベス・ファントムハイヴ伯爵夫人だって?冗談じゃないよ。
・・・でも、どうしてリジーはボクと付き合ってるってちゃんと言わないの?知られちゃイヤなの?
それともまだ―シエル・ファントムハイヴ(クソガキ)のこと忘れられないの?