novels.(John×Alice)
□愛する君と永遠に・・・
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「愛する君と永遠に・・・」
※R-18あり ジョン視点。
「本当にうれしいっ!ジョンとこうして一緒に出かけられるなんて・・・」
アリスのはずんだ声に私は小さく笑う。陛下の下さった長期休暇を利用して、アリスを誘い街に出かけた。
「久しぶりに街に出たわ!」
まるで子供のように大はしゃぎをして歩を早めていくアリス。 喜んでいる彼女を見るのはうれしいけれど―
「アリス、人も多いしそんなに走ったらぶつかってしま―」
ドッシーン!
「ばっかやろう!気をつけろっ!!」
「あっ!す・・・すみませんっ」
・・・ああ、ほら。
シュンとしているアリスの側に近寄って肩をそっと抱き寄せる。
「ほら、言っただろう?」
「ジョン・・・」
「ゆっくり行こう。時間はたくさんあるのだから・・・」
私はアリスの柔らかな髪を優しく撫でると、更に彼女の肩を自分の方に引き寄せた。
「・・・・///」
恥ずかしいのか、そっと俯くアリス。
小さい頃はよくこうして抱きしめてあげていたな・・・いじめられっ子で泣き虫だった彼女を。
「―」
その頃のことを思い出し、フッと笑みが洩れる。ゴーグル越しにアリスの赤い顔をじっと見つめていた。
「ジョン・・・」
ふっと彼女が私の顔を見る。
「何だ?」
「・・・本当に今日ジョンと出かけられてうれしい。最近・・・私・・・仕事で失敗してばかりで叱られてばっかりで―」
悲しそうな瞳、そう言えばこの間も少し泣いていた・・・。
「・・・向いていないのかもって・・・時々思うの・・・私みたいに不器用な―」
「―アリス・・・」
悲しそうな顔は見たくないから、私は彼女の身体を強く抱きしめた。
「ジョ・・・ンッ///」
周りの視線が集まる・・・けれどそんなのはどうでも良い。
「今日は楽しもう、アリス・・・」
「ジョン・・・」
私の前では笑っていてほしい。
それだけで私の心は癒されるのだから―。