novels.(John×Alice)
□Naked
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「Naked」
※R-18あり
ジョン視点。
陛下の馬の手入れを終え、私は宮殿の庭を歩いていた。
すると―
「アリス」
メイドのアリスがベンチに座り込んで俯いている。私には気付いていないようだ。
「・・・・」
そっと近寄って、私も彼女の横に座った。
「ジョン」
ようやく気が付いてくれたか。
「どうした・・・?」
「ううん、何でも―」
「そうか・・・」
何でもないわけがない。現に声が沈んでいるのだから。
アリスはあの日、一度ここを飛び出したが、またがんばってみることにしたと言っていた・・・。
「家族から―」
「え・・・」
「今日、手紙が届いたの。それを読んだらなんだか―」
「・・・・」
青い瞳から涙が零れ落ちる・・・。私はそっとアリスの細い肩を抱き寄せた。
「しばらく・・・このままでいさせて」
甘えるように言うアリスがなんだか可愛くて、私は肩を抱く手に思わず力を込めてしまう。
「お前が落ち着くまで、私はここにいるよ」
「・・・ありがとう」
「・・・・」
こんなことしかしてやれない自分がもどかしいが・・・。せめてこうすることで、アリスの辛い気持ちが少しでも和らぐのなら、何度でも抱きしめてやりたいと思った。
「ありがとう、ジョン・・・もう大丈夫よ」
「そうか・・・」
「うん」
私は更にアリスの肩を引き寄せる。ただ私が離れたくないだけなのだ・・・。
「早く戻らないと、怒られてしまうから―」
「そうだな・・・」
スッと彼女のブロンドの髪を梳くと、私はスッと立ち上がった。
「辛いことがあったら、いつでも相談にのるから―」
小さく笑みを浮かべるアリス。けれど、その笑み・・・無理に浮かべていることくらい察しはつく。
「じゃあ・・・ジョンも無理しないでね」
ブロンドの髪を靡かせて、私と反対の方向に走っていくアリスをいつまでも見送っていた―。