novels.(phipps×paula)
□Forever and ever
1ページ/11ページ
「Forever and ever」
※R-18あり フィップス視点です。
「ここが―ポーラの生まれ故郷か・・・」
「ええ・・・」
俺はしばし大都会の喧騒とは全く違う、大自然に囲まれた綺麗で静かな風景に魅入ってしまっていた。
―長期休暇をいただいた俺は、ポーラと共に彼女の生まれ故郷に来ている。
「同じイギリスとは思えないな・・・」
心が安らぐ。俺は思い切り息を吸った。
「よかった。気に入っていただけて―」
「ポーラ・・・」
俺は少しきつい口調で彼女の名を呼ぶ。
「え?は、はいっ」
「敬語はやめてほしい」
「え・・・」
「今・・・俺とお前は“主人”と“メイド”ではない」
「あ・・・」
「一人の男として―俺を見てくれ・・・」
「―」
ポーラはしばらくの間、落ち着きなく瞳を動かしていたが、やがて俺に身を委ねるようにそっと抱きついてくる。
「・・・チャールズ」
戸惑いがちに俺の名を呼ぶ声・・・俺はポーラの細い身体をきつく抱きしめた。
もどかしい想いが胸の中に広がっていく・・・もっと俺の名を呼んで、そしてもっと俺に心を開いてほしい―。
ポーラを深く想えば想うほど、心がそう叫んでいる。