novels.(Ash×victoria)
□愛しい我が君
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「愛しい我が君」
※アッシュ視点。
「―アッシュ・・・疲れたわ」
「おや、どうされました?」
私はソファーの上にチョコンと座っている陛下の元に近寄り、その可愛らしいお顔を覗き込んだ。
「・・・あまり顔色がよろしくありませんね。今日は長いことお歩きになったのでお疲れになったのでしょう。失礼を―」
陛下の額にそっと手を当てる・・・
ああ、とても熱い―
「陛下、お熱があります。さあ、ベッドに・・・」
スッ―
軽い身体を抱き上げると、私にギュッと抱きついてくる陛下。
「・・・どうされましたか?最近甘えん坊ですね」
「いいじゃない・・・」
私はふふっと小さく笑い、陛下のとても熱い・・・そして可憐な花の蕾のような唇にキスをした。
「ゆっくりお休みください。今おまじないをかけましたからね。これで早く熱が下がりますよ」
「―」
陛下をゆっくりとベッドに寝かせて、そのブルーの瞳をじっと見つめる。
「―ずっとここにいて・・・」
「それは・・・私も仕事がありますから―」
「いやっ・・・今日だけはずっと私の側にいてちょうだい」
ああ、まるで駄々っ子のようだ・・・。けれどまたそこが可愛らしいのだが。
「―承知いたしました、ヴィクトリア様」
「絶対よ」
「ええ」
私の返事を聞くと、安心したように瞳を閉じる。
ゆっくりお休みください・・・甘えん坊な我が愛しい君―。
「愛しい我が君」end.
〜あとがき〜
短編で書いてみました。バカップルっぽく・・・。